【文学】「小説家になってもずっと中島敦の『李陵』が頭にあった」…北方謙三さん、『史記 武帝紀』の刊行開始。「権力の悲劇」描き出す
1 :
諸君、帰ってきたで?φ ★:
◇私自身の歴史小説書きたくて
北方謙三さんの『史記 武帝紀』(角川春樹事務所)の刊行が始まった。『三国志』『水滸伝』『楊令伝』などに続く北方さんの長編・
中国歴史小説。前漢の武帝(紀元前156〜87年)の盛衰を軸に、この時代を生きた多くの人物の生き様から、権力が及ぼす悲劇
を描く。北方さんは『史記』を「私の小説の源流」と呼ぶ。本作に込められた特別な思いとは−−。
高校時代に心を打たれた中島敦の『李陵』。漢文の素養を持っていた中島敦の切りつめた文章が魅力だった。
「小説家になっても、ずっと『李陵』が頭にあった。中国史の史料として漢書を読み込むなかで、李陵が出てくる場面に胸が高ぶった。
中島敦は、司馬遷の史記に直接影響を受けて書いたと分かったが、あまりフィクショナルなものが介在していない。そうなると私の出番。
物語という形で私自身の歴史小説を書こうと思った」
李陵が生きた時代、前漢のピークとされる治世を築いた武帝(劉徹)の生涯にも魅せられた。
武帝は李広や衛青、霍去病(かくきょへい)といった名将を使って、南下する匈奴(きょうど)を退治し、西域や南越へも遠征した。
他方、国内では中央集権を推し進め、治水にも力を注ぐ。しかし度重なる外征で民は疲弊。貨幣改革や塩や鉄の専売制を導入したが、
少しずつ国は衰退し始める。最盛期を過ぎた武帝は徐々に判断力が低下し、死を恐れ、不老不死を求めるようになった。
「権力者が理想を持ってやることが、理想ではなくなっていく。腐敗する者、改革しようとする者が出てくるけど、権力者の生命力が
衰えてくる。権力が社会や、一人の人間に及ぼす作用は悲劇的な方が大きい」。栄光と影が大きく振幅する権力の姿。『史記』を前漢
第7代の皇帝・武帝から書き起こした訳はここにもある。
李陵は匈奴に捕らえられ投降した。すでに不老不死を求めていた武帝の命で、李陵の家族は殺され、司馬遷は李陵をかばったために、
死刑の次に重い宮刑に処される。他方『李陵』にも登場する蘇武は、匈奴に捕らえられながら、驚異的な生命力で最後まで抵抗した。
漢では友だった李陵と蘇武の対照的な生き方と別れ。「人の明暗、人生の岐路を考えさせられる。そこを書きたい」と力を込める。
今後、2人を取り巻く物語が、『史記』の大きな見せ場になる。
また、武帝が18歳の時、西域に使者として送った張騫(ちょうけん)が、タクラマカン砂漠を横断する壮大な冒険譚も見ものだ。
宮刑に服しながら「史記」を書き続けた司馬遷も控える。
「これ(武帝紀)は私の最初の史記。さかのぼればいくらでもおもしろい話がある。注目すべき始皇帝もいる。全何巻になるかは、
考えていない」
ハードボイルドから歴史小説へ、物語の大きな舞台を求めた。さらに日本史から古代中国の『三国志』や『水滸伝』を書きながら、
「やはり、史記を、李陵を書きたい」と思ったという。
「当時は紙は一般的でなくて、竹簡(竹の札)に言葉を書き記した。紙の何倍もの厚さがあるから、できるだけ短く書かないと
ものすごい量になる。切りつめた言葉、文章で的確に書いていて、史記は勉強になった」。研ぎ澄まされた短い文章を重ねていく
文体は、本作でも健在だ。
「人の心を揺さぶるのが小説。最近、読者にはゲーム的感覚を持った小説が受け入れられて、小説が変質している。別の傾向が
出始めて、転換期にきています」
中国史について語る表情が一転して厳しくなり、最後に自身の小説観を語ってくれた。
ソース(毎日新聞)
http://mainichi.jp/enta/art/news/20081028dde018040010000c.html
ソープに行け
まぁ、俺は速攻で買ってしまったんだけどね。北方節全開の「漢(おとこ)の小説」って感じ。
やっぱりこれ、中島敦の「李陵」を意識してたのか。
ここに上がってない小説で、宋の武将・楊業を描いた「楊家将」「血涙」って小説を
北方謙三が書いているのだけれども、それもすんげぇ面白い。
最近北方節にハマりつつあります(*´Д`)
4 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/29(水) 23:42:19 ID:/Z36DZIs
楊令伝は読んでないな
楊令にあまり惹かれないんだが
>>4 (女真族の)金が、ついに北宋を滅ぼすあたりの時間軸だから、かなりおもろいよ。岳飛とか出てくるし。
李陵か、若いころ繰り返し読んだな。漢文調のリズムが心地よくて。
7 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/29(水) 23:46:06 ID:CJ+RVPkB
棒
8 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/29(水) 23:46:41 ID:vlIDP9M0
とりあえず売国奴は氏ね
9 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/29(水) 23:47:10 ID:Fe4bLB8Z
10 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/29(水) 23:49:01 ID:/Z36DZIs
>>5 そうか、ありがとう
じゃあ読んでみるかな
ただ色々読みたいものがあるがら今のペースだと二年後くらいの話になるな
まあ中島敦はいいわな
>>5 歴史の流れがメインなのか、それなら読んでみるかな。
北方の、オリキャラは、嫌い、ではない、しかし、オリキャラメイン---、それを何巻も読むこと---逃げていた。
燃える、原野が---
>>3 「楊家将」とその続編の「血涙」はマジ良かった。
14 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/29(水) 23:54:20 ID:k9oER+C2
中島敦なら「名人伝」が面白い
>>12 いや、もちろん主役は梁山泊の残党たちなんだけどさ。それに+αの歴史が色々つくわけだ。
つーか、まだ完結してねぇだろうから、文庫化はしないんだろうな…3ヶ月が待ち遠しくて仕方ないよ。マジで。
>>13 特に楊四郎がいいよね。(特に「血涙」)
18 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/29(水) 23:57:22 ID:Lx8kfn90
「悟浄出世」読み返すか
>>14 中島敦なら「弟子」(孔子と、その一番弟子の子路の話)は外せない。「名人伝」もいいよね。
20 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/29(水) 23:59:21 ID:C5VeA2oI
国語の教科書で山月記に興味を持っただけの俺が中島敦と聞いて「名人伝」を熱狂的に推奨するスレ
21 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 00:01:44 ID:8N/5W535
武帝までは漢王朝は匈奴に屈服していたからね
劉邦が匈奴に敗退してから、匈奴の風下に立ち
毎年、莫大な貢ものを差し出していた。
武帝の匈奴討伐は、その立場から脱するためのものだった。
以前は中国側の立場で書かれた歴史書を参考にしていたから、このような見方はなかったけど
しかし読み解いてみれば、それしか考えられないものね
北方版指輪物語を読んでみたい
23 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 00:04:10 ID:90JDHXtE
北方謙三 ――― 筋金入りの創価学会信者
>>16 『 ――これは俺一人の問題ではない。俺達の民族は昔からこんな性質を
持つように歴史的に訓練されて来て居るんだ。
ふと横を見ると男が道傍にしゃがんで小便をして居るのだ。彼は何げなく
「立小便」することを知らない此の半島の人達の風習を考えて見た。
――此の一寸した習慣の中にも永遠に卑屈なるべき俺達の精神がひそんで
居るのかも知れぬ。――彼はそんなことを、ぼんやり考えて見た。』
中島敦はコリアンについてよく洞察していたようだ。
25 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 00:19:48 ID:0C5mfuXA
日本人ほど、外国(中国)の歴史小説や漫画をいそいそ書きまくる民族って、他にそうそういないよな。
面白い題材は多いとは思うし好きなのもあるが、いい加減もういいという気もする。
26 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 00:24:25 ID:eP6cTg46
謙三さん、まちっとで唐津くんちやっけんが唐津に帰ってこんね!
中島敦は秀才って感じの文章だな
本当に本を読んだり洞察力を磨いて書いたってのがわかる
早死にしすぎだったわな
28 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 00:37:00 ID:G2O0sPCQ
>>25 面白ければチョンでもチュンでも国籍関係なく、楽しめる国民性が今日のわが国
の反映を築いた。いい物はいい!ただそれだけ。
29 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 00:40:20 ID:RXbvW/5P
学生の頃、教科書に山月記があったのに現代語作品集がなくて
文語体の作品集必死で呼んだなぁ、懐かしい。
文字禍は好きすぎて、しまいにゃ現代語で筆記しなおして友人に読ませたわw
書痴のお歴々には文字禍、801の方々には悟浄シリーズ、
中二病には山月記、今で言うロハス族には環礁シリーズと、
ヲタ系に勧めやすい作家さんだった。
わが西遊記はもっと読みたかったなー。
>>26 浜町に住んどらしたもんねえ。オレ中通り。
中島敦だと弟子のほうが好きだなぁ
文字禍もいいね、なんかマニアの行き着くところ、みたいな
32 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 00:43:13 ID:G2O0sPCQ
中島敦の小説って品があるんだよなあ。そして漢籍ネタだが、山月記なんか現代人
の孤独感を描いていて不条理小説として読むと、安部公房のような時代の最先端を
行っている。
中島敦の文章は、彫琢と言う言葉が相応しい本当の名文。
引き合いに出しては悪いが、大江健三郎の対極だな。
35 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 00:45:03 ID:fOCBw5yR
北方三国志で、十名それが全軍だった
ここが頭に残ってる
36 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 00:46:09 ID:+a1hAVK0
コンパスみたいなおばさんがでてくるやつ?
発想が枯渇すると中国ネタにゆくんだろ?
北方の中国ものは読んだことねし、読む気もしねえ。
中島敦なんて、昔いやいや読んだだけだから、全く内容覚えてない。
真に作品が完成するのは削るところがなくなったときだ、って言うけど、中島敦の文章、特に漢籍ものはそんな感じがするね
40 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 00:52:34 ID:G2O0sPCQ
筑摩書房刊「中島敦全集」全3巻+中島敦研究を刊行時に即購入した俺は勝ち組。
俺は文治堂の古い全集で読んだ。
42 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 01:02:49 ID:bHk88ksm
李陵
って人は、週刊ヤングジャンプに連載中の
キングダムのマンガの主人公の
李信将軍のひ孫だよね?
それとも李信将軍の息子の李広将軍のひ孫だったっけ?
奴隷孤児から、始皇帝に仕えて将軍の地位まで上り詰めるも
昌平君との戦いにボロ負けして名将軍といわれながらも生き恥を晒す。
その息子の李広将軍は、父の汚名を晴そうと名将軍となるも
(水滸伝に出てくる、小李広の花栄のあだなは、漢の時代の弓の名人の李広のようにちなむ)
やはり最後の最後で失敗する。そして李陵も同じく最後で失敗し
あの李信将軍の家系だから仕方がない。詰めの甘い一族だ。
といわれるんだよね
43 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 01:05:06 ID:8/fkAgSa
来年が中島敦生誕百年だっけ
44 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 01:05:42 ID:nXhUb+ZZ
>>37 そうなんだよな。宮城谷とか中国を題材にした作品しか書けないやつって嫌だな。
登場人物の名前とあらすじは中国の話を借りてくるんだが、
登場人物の性格は日本人で話は浪花節なんだよねw
そう思って読めばいいんだろうけど・・・
さあ、みんな。世界情勢を語ろうぜ!
47 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 01:14:07 ID:pnPdrfLd
たしかに感情描写を排した簡潔な文体ってことでは
ハードボイルドと近いのかも知れんな。
つうかこれ東アジアネタじゃないだろ。
48 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 01:20:41 ID:G2O0sPCQ
>>45まあいいんじゃない、エンターテイメントとしてそういう専門家がいるって事が
日本の特徴、間違っても欧米には宮城谷みたいな中華オタクいないだろう。しかも
春秋とか未開な分野を開拓した。
49 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 01:24:41 ID:7iN+nWxR
>>43 とすると太宰もだな
やっぱ中島敦いいわ、何年経っても
>>37 日本が舞台の時代小説の方が多いぞ?
まあみんな話が似通ってるのはご愛嬌。
個人的には日向景一郎シリーズの続きと「独り群せず」の続きが
読みたい。
51 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 01:32:01 ID:KmnMRhGo
宮城谷は日本の歴史物も書いてるし、現代物も書いてる
つーか宮城谷の魅力はそんな所じゃないんだけどね…
52 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 01:33:46 ID:Im6/bKxs
>>36 魯迅にもいるな。「故郷」の楊おばさんだっけ。
>>40 筑摩文庫は注釈が左のページに固めてあるのが読み易くて好き。
喜多方と言えばラーメン
北方と言えばハードボイルド
55 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 02:01:21 ID:b3JWZ50E
『史記 武帝紀』
買って読んだけれど、イマイチ。
>>51 宮城谷のメインは中国物なんだから、中国物で魅力を感じさせられなかったら、
魅力なんかないってことじゃないの。
58 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 02:41:22 ID:UELFOSc0
李陵は史実が感動もの。
本人の漢詩も蘇武が聞き、司馬遷が記録して伝わっている。
漫画も文庫である。
だけど板違いだよ。
新聞社のサイトにあっても自分が好きな本の発売ってだけだろ。
>>3、
>>17、
>>19これが記者?
59 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 02:44:44 ID:rafPz8QT
北方の文が箇条書きぽくて読みづらいのは漏れだけだろうか
60 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 02:56:41 ID:2dc9ymu3
北方って小僧ソープへいけの人か
61 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 03:40:22 ID:2hjbRFOu
62 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 09:34:30 ID:E/Htqi9q
宮城谷さんは私小説で挫折した人だから幅が広いけど
人物がワンパターンで脚色しすぎだなって思う。
時代小説書きはじめてからのこの人はもっと評価されていいと思う
中島敦=栗本薫だっけ、
李陵は読んだこと無いけど、霍去病が衛青を姫って呼んだりしてそうで嫌だな
スレみたら、全然違う人みたいだ。
北方の小説は、立て続けに読むと文体が鼻につくけど面白い
武王の門とか好きだった。網野善彦が誉めててびっくり
研究者は歴史小説は嫌いだったり馬鹿にしてるもんだと思ってた
やい小僧供、と北方謙三に言われてる時から読んでたことになるのか。
オレもいいオッサンになったなぁ...
惰性で読んで時期もあるけど、同工異曲でもう面白くなくなってた。
だからたまに初期の作品をたまに読み返す程度でしばらく北方モノから離れてた。
書いてる当人も惰性で書いてたんだろうな、小説のカタチにはなってるけど
ネタの仕込みも無くて中身スカスカ。
どの辺りから面白くなくなってたかすらも記憶に残ってないわw
でも歴史モノでまた好きだった昔の北方調が復活してた。
北方謙三って制約や縛りがある方がいいんだろうな、背景や人物に。
設定が自由だとどこか緩慢になって不完全燃焼になる。
SFとか絶対無理なタイプだなw
67 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/10/30(木) 17:21:03 ID:2fzmQJnu
>>64 ?????????????????????????
?????????????????????????
北方西遊記が読んでみてーわ
多分猪八戒とか思慮深いんだろうな
>>69 妖怪って設定が無くなって
お供の三人がチビ・ハゲ・デブでめっちゃ強いだけの普通の人間だったらなんか嫌だ
72 :
<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/11/03(月) 22:27:59 ID:VUceYt3D
北方阿Q正伝
北方封神演義
北方隋唐演義
北方元朝秘史
もうあらゆる史書や歴史小説の北方版を書き続けて
最終的には殷から中華人民共和国まで繋がる超大長編にしてしまえ