08年秋、韓国の銀行窓口では今
「本来は1億ウォン(約850万円)以上でないと年7.3%は無理ですが、今回は特別にサービスしましょう。
その代わり、今後も当行をぜひごひいきに」(ソウル市鍾路区A銀行)
14日午前中、ソウル市鍾路区にある七つの銀行(国民、ハナ、新韓、ウリ、外換、SC第一、シティ)を訪れ
預金の相談を行ってみた。1年満期の定期預金に1000万ウォン(約85万円)を預けた場合の金利は
ハナ銀行の年7.3%が最も高く、逆に最も低いのは国民銀行の6.5%だった。大サービスでもしているように
6%台の金利を提示した国民銀行で「ほかの銀行は年 7%だ」と言うと、「明日から金利が年6.8%に上がる」と
苦しまぎれに説明していた。
世界的な信用不安の影響で資金が枯渇しつつある韓国の銀行では、高金利をうたった預金獲得競争が
激しさを増している。顧客も知恵がついた。銀行の事情を知った預金者たちは高金利を保証する銀行を求め、
窓口で行員に対して金利の上乗せを要求する光景も目につくようになった。
一部の銀行はファンドで多額の損失を出した得意先に対し、「慰労金利」として0.1から0.2%を上乗せしたりも
している。また新規の顧客にも同じような金利を提示し、預金の確保に全力を挙げている。
◆韓国銀行が金利を下げても預金金利は上昇
先週韓国銀行が金利を年5.25%から5.0%へと0.25% 引き下げたが、銀行の預金金利には変化がないか、
逆に上昇する現象が発生している。外換銀行の1年満期定期預金の金利は先週に比べて0.4%上昇し、
15 日の時点で最高年7.1%にまで達した。過去において基準金利が変動すれば直ちに預金金利を
調整していたころとは完全に変わってしまった。
企業銀行受信商品チームのチン・ハンソプさんは、「以前は海外から調達した外貨の一部をウォンに換えて
融資の財源としてきたが、最近はこれが困難になっていることから国内で調達するしかない。
そのため預金の金利を調整するのが難しくなった」と説明する。海外市場ではいつ大規模な問題が発生するか
分からない状況にあることから、銀行では余裕のある資金をできるだけ多く確保するための競争が激しくなっている。
そのため金利には構っていられない状況にあるのだ。
SC第一銀行PB(プライベート・バンキング=富裕層を対象とした1対1の資産運用サービス)チームの
コ・ドゥクソンさんは「株価も為替も乱高下しているが、おかしなことに金利だけは上がり続ける一方だ。
しかし先週韓国銀行が基準金利を引き下げたことで、近く市中銀行でも金利も下がると予想されることから、
金を預ける時期に神経を使う預金者が多くなっている」と述べた。
◆高金利を求める人たち百態
サラリーマンのチェ・ソッキさん(40)は数日前に15の銀行に電話をかけ、18カ月で年7.6%の利率で預金をした。
「ちょっと面倒だが、複数の銀行で相談し金利を比較すれば、より高い利子を受け取ることができる」と語る。
複数の銀行を回りながら金利を細かくチェックする預金者は、その結果をネットの掲示板などに公開して
情報を共有したりしている。企業銀行PBチームのカン・ウシンさんは「資金に余裕のある顧客はそれほど多くはない。
非常に少額で定期に加入するか、3カ月、6カ月単位の短い期間しか預けない預金者が多い」と述べた。
◆貯蓄銀行の競争も激化
資金難にあえぐ貯蓄銀行は、わずかの資金でも確保するために全力を挙げている。最近は多くの貯蓄銀行で
1年満期の定期預金金利が複利で年8%台に迫っている。ある貯蓄銀行は10日ごとに定期預金金利を
0.2%から0.3%ずつ引き上げ、預金者からは不満の声も出た。ソウル江南のある貯蓄銀行の関係者は
「新規融資のための営業は実際にはほとんど行われていないが、もしもの事態に備えて手玉を確保する
必要がある。そのため金利を上げてでも預金をしてもらうしかない」と語った。
http://www.chosunonline.com/article/20081015000041 http://www.chosunonline.com/article/20081015000042 http://www.chosunonline.com/article/20081015000043 http://file.chosunonline.com//article/2008/10/15/762005245362572515.jpg