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>>1の続きです)
われわれは基本がなっていない。基本をないがしろにした砂上の楼閣がどのようになるかは、
スポーツの世界を見ればよく分かる。昨年のドーハ・アジア大会の野球競技で、プロ選手からなる
韓国代表はアマチュア選手からなる日本代表に負けた。韓国の見掛け倒しのプロ選手が、実力面で
日本のアマチュア選手にも及ばなかった理由は、基本技術で劣っていたからだ。米国の
メジャーリーグや日本のプロ野球に進出して失敗した韓国人選手たちも、異口同音に基本技術が
足りなかったと語っている。
先日韓国で開催されたFIFA(国際サッカー連盟)U17(17歳以下)ワールドカップ(W杯)では、
これまでで最大の支援を受けた韓国代表チームが予選で脱落した。韓国代表を見ていると、基本技を
しっかり身に付けた選手など一人もいないように見受けられた。大会が始まる前、韓国代表で最も
注目されているというある選手はインタビューの中で「韓国のKリーグはテンポが遅いので、
イギリスのプレミアリーグしか見ない」と発言した。後になって考えてみると、この幼い選手の態度こそ、
基本をないがしろにし、見栄えだけを追求する韓国人の典型例に思えた。
この夏、日本の全国高等学校野球選手権大会の決勝で奇跡の優勝を手にし、韓国のメディアでも大きく
取り上げられた佐賀北高校は、全4081校に及ぶ参加校の中で、まったく目立たない存在だった。専用の
球場も、選手用の寄宿舎も、特待生制度もなかった。そのため野球の才能に恵まれた選手が、わざわざ
進学してくることもなかった。主力選手の平均身長は170センチにも満たず、監督は大学野球の経験すら
ない国語教師だった。
その佐賀北高校が、2度目の全国大会出場にして、優勝を勝ち取った。奇跡の陰に、何か秘訣(ひけつ)
でもあったのではないかと考える人も多かった。だが、そんなものは存在しなかった。練習も、ほとんどは
走り込みといった基礎体力訓練や基本練習に費やした。そして試験期間中は練習を1週間休んだ。秘訣を
聞き出そうとする質問に、監督は「時間を守ること。礼儀をわきまえること。勉強も一生懸命すること」を
挙げた。人として、生徒として、運動選手として、基本に忠実であれと教えたまでだというのだ。
韓国でも佐賀北高校のような野球チームが出てくる可能性はあるだろうか。また、こうした監督を
受け入れられるような土壌があるだろうか。韓国人の誰もが、残念ながら韓国にはそうした環境がないと
答えざるを得ないのではないか。