【ソウル=前田泰広】脱北者を装った北朝鮮工作員らが韓国検察当局などに摘発された事件で、
朝鮮中央通信は3日、祖国平和統一委員会報道官の談話を伝え、「事件は資料を捏造(ねつぞう)した
完全な謀略劇だ」とし、李明博(イミョンバク)政権を非難した。
北朝鮮側が事件に反応を示したのは初めて。
談話は2日付。事件で起訴された元正花(ウォンジョンファ)被告(34)の名前には触れず、
「北朝鮮で無料教育、無料診療の恩恵を受けた」にもかかわらず、詐欺や窃盗を繰り返したと指摘。
「法の裁きを逃れるために不法越境して南朝鮮(韓国)に逃げた醜い人間」とこき下ろした。
元被告の共犯として逮捕された継父(63)についても、「職を転々とした怠け者で人間のくず」
と決めつけた。
北朝鮮は2人が工作員であることは否定しているが、こうした形で北朝鮮出身者だと認めるのは
極めて異例。
談話は今回の事件について、「我々に対する重大な挑発だ」と指摘した。
(2008年9月4日01時38分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080903-OYT1T00730.htm