【コラム】北京に赴任して以来、「野蛮な日本兵」が中国人を虐殺するテレビドラマを毎日のように見せられる[04/28]

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1ニライカナイφ ★
◆【外信コラム】北京春秋 反日ドラマ

4000年にも及ぶ中国の歴史の中に、面白い話題はいくらでも転がっている。
しかし、なぜか中国のテレビ局は、約70年前のほんの数年間だけの
日中戦争を題材としたドラマばかりを作っている。
昨年5月に北京に赴任して以来、「野蛮な日本兵」が中国人を虐殺するシーンを
毎日のようにテレビで見せられる。

「亮剣」という人気ドラマがある。
包囲されて城に立てこもる日本軍が、八路軍の指揮官の新妻を楼上に縛り付けて
撤退を要求し、指揮官は涙ながらに部下に城への砲撃を命じた−。
多くの人が涙した名場面だ。

しかし、日中戦争をほとんどゲリラ戦で戦い抜いた共産党軍が、
派手な城攻めを日本軍相手に展開した史実は見あたらない。
それはさておき、「武士道とは死ぬことと見つけたり」との価値観を尊ぶ
日本軍の将校が、このような形で命ごいをするだろうか。

司馬遷著の「史記」の中に、劉邦軍と対峙(たいじ)した項羽が、捕虜となった
劉邦の父親を引っ張り出して「煮殺されたくなければ降伏しろ」と迫った場面がある。
ドラマの作者は、この歴史からヒントを得て創作したのかもしれないが、
「日本人は卑怯者」と決めつけている。

「愛国主義教育」の一環と称しデタラメな歴史ドラマばかりを作る人たちに、
「歴史を正しく認識せよ」と言ってみたくなった。(北京 矢板明夫)

MSN産経ニュース 2008年4月28日02:41
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080428/chn0804280243000-n1.htm