韓国のソウル地裁は17日、2000年に、当時実業家だった李明博大統領と共同事業を行い、
翌年に株価操作と横領事件を起こしたとして起訴された元実業家、
キム・ギョンジュン被告に懲役10年、罰金150億ウォン(約15億4700万円)の
実刑判決を言い渡した。聯合ニュースが伝えた。
キム被告は株価操作などは李氏が主導したと主張し、昨年の大統領選で李氏の関与の有無が
一時焦点にもなったが、検察や特別法に基づき捜査した
特別検察官はキム被告の単独犯行と判断、裁判所も追認した。
判決によると、キム被告は経営する投資顧問会社「BBK」傘下の会社の株価を操作して
好調な業績を装い、顧客資金319億ウォンを横領した。
【記事】
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080417/kor0804171601004-n1.htm 李明博Xファイル:「金敬俊被告が韓国で打った芝居」
懲役10年、罰金15億円の実刑判決
投資顧問会社BBKによる株価操作事件をめぐり、横領罪などで起訴された金敬俊(キム・ギョンジュン)同社元代表に
対する判決公判が17日、ソウル中央地裁であり、懲役10年、罰金150億ウォン(約15億4870万円)=求刑懲役15年、
罰金300億ウォン(約30億9740万円)=の実刑判決が言い渡された。
判決は金被告が2000年から01年にかけ、資本金5000万ウォン(約516万円)で金融会社を設立し、
私文書偽造と株価操作で投資家を誘い、投資資金319億ウォン(約32億9390万円)を横領したと認定。
尹瓊(ユン・ギョン)裁判長は「犯罪の手口が巧妙で、被害規模が大きいにもかかわらず、
弁済どころか反省もしておらず、厳罰は免れない」と判決理由を説明した。
金被告は同日、カーキ色の受刑者服姿で、表情をゆがめながら判決を聞いた。ワイシャツに黒のスーツ姿で
笑みを浮かべていた逮捕当時の表情とは好対照だった。
尹裁判長は量刑の宣告に先立ち、「BBK事件は金被告が財産を増やすことを目的として、綿密に計画した
単純な経済犯罪だ。金被告は犯罪の本質をぼかすために韓国を舞台に芝居を打った」と断罪した。
その上で、李明博(イ・ミョンバク)大統領まで巻き込んだ事件が、結局は金被告の単独犯行だったことを
「泰山鳴動してねずみ1匹」と表現した。
ソウル中央地裁は特別検事チームの起訴事実をほぼ認めた。今回の事件では、検察と特別検事による捜査は
李大統領が事件に関与したかに焦点が絞られた。その後、裁判では金被告による株価操作と横領の解明が進められた。
検察は捜査の結果、李明博大統領に嫌疑なしとの結論を下し、金被告のみを起訴していた。
尹裁判長は「国民的疑惑を呼んだ事件だっただけに、公訴事実と関連がなくても被告に不服な点があれば
聞こうと努めた。金被告はBBKの実質的な所有者が李大統領だという主張のみを繰り返し、証拠を提示できなかった」
と指摘。その上で、「泥棒が結んだ物を他人に与えたとしても罪が消えるわけではない。BBKへの出資関係と金被告の
犯罪行為は関係ない」と批判した。
昨年12月の大統領選を揺るがしたBBK疑惑は、今回の判決で金被告による詐欺行為だったことが明らかとなり
一段落した。金被告は罰金150億ウォンを納付できない場合、懲役刑以外に1000日間(2年9月)の労役が科される。
罰金未納に伴う労役場留置期間は3年を超えてはならないという刑法規定に従い、労役1日当たり1500万ウォン
(約155万円)で期間が算定された。通常は同5万ウォン(約5160円)で算定される。
一方、金被告の家族は今年2月に米ロサンゼルス連邦地裁で、金被告が経営する投資会社
オプショナル・ベンチャーズの少額株主が受けた投資被害に対し、663億ウォン(約68億4600万円)の賠償を行うよう
命じる判決を受けている。
http://www.chosunonline.com/article/20080418000053