マレーシア下院(定数二二二)の総選挙が八日行われ、即日開票される。アブドラ首相率いる統一マレー
国民組織(UMNO)など与党連合、国民戦線の勝利が確実視されているが、大勝した前回選に比べて
どこまで議席を減らすのかが焦点となる。
同国は「東南アジアの優等生」といわれ、多民族の融和を図って経済成長を遂げてきたとみられてきたが、
UMNO中心の長期政権が続く中で、民族・宗教間の不公平感が強まるなどほころびもみえてきた。
二〇〇四年の前回総選挙では、発足したばかりのアブドラ政権への期待もあり、与党連合が全体(前回定数
二一九)の91%にあたる百九十九議席を獲得して圧勝。
しかし、人口の66%を占めるマレー系住民に対する就労、進学面などでの優遇政策に対し、貧しいインド系
住民らの不満が募っており、昨年十一月には大規模なデモが行われ、大量の逮捕者を出した。その後もインド系
住民による抗議活動が活発化している。
与党連合は、マレー系、中国系(26%)インド系(8%)の代表らによる政党の寄り合い所帯で、実際には
多民族が融和しているとは言いがたい。インド系の与党マレーシア・インド人会議は九議席しかなく、
「差別されている」と感じているインド系住民の不満をすくい上げ切れていない。今回、不満を持つ多くの
インド系住民に加え、中国系住民の一部も人民正義党など野党支持に回るとみられており、与党連合が
勝利しても各民族間に微妙なきしみが生じる可能性がある。
アブドラ政権は、憲法改正が可能な三分の二の議席獲得を勝敗ラインとしているが、単なる議席数だけでなく、
各民族・宗教間の融和に向けてバランスのとれた勝利を手にできるかどうかが問われる。
サラワク州を除く十二州の議会選も同時に行われる。
ソース(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2008030802093632.html ----------------------------------------------------------------------------------------------
マレーシアの下院(定数222)総選挙の投票が8日、始まった。統一マレー国民組織(UMNO)を中心とする
与党連合、国民戦線が3分の2以上の安定多数を維持できるかが焦点。即日開票され、同日深夜にも大勢が
判明する。
また、サラワク州を除く全国12州の州議会選挙も同時に実施され、中国系住民の比率が高いペナン州など
では接戦が予想されている。
アブドラ首相は選挙戦最終日の7日、地元ペナン州で遊説を行い、過去約4年間の実績を強調、「与党は
(下院の)3分の2を維持できる。ペナン州(議会選)でも勝てる」と自信を示した。
一方、野党、人民正義党の顧問を務めるアンワル元副首相も同日、夫人が出馬しているペナン州内の選挙区で、
「有権者の声をしっかり国政に届けるには強い野党が必要だ」と支持を訴えた。
前回2004年の総選挙では、マハティール前首相から政権を引き継いだばかりのアブドラ新政権への期待感
から、与党連合が9割の議席を獲得し圧勝した。
今回も与党の勝利は動かないが、物価高や治安悪化、ブミプトラ(マレー系住民優遇)政策への少数民族の
不満などを背景に、民主行動党や人民正義党などの野党勢力がどれだけ議席を伸ばせるかが焦点となっている。
総選挙の有権者は約1100万人で、午後5時(日本時間同6時)に投票が締め切られ、開票作業が始まる。
マハティール前首相は「与党の弱点はいくらでもあったのに、野党は攻撃の決め手を欠いた。下院では
与党連合が70〜75%の議席を確保するだろう」と予測している。
ソース(MSN産経ニュース)
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