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http://www.kobe-np.co.jp/news/tanba/Images/00839165.jpg 日本の酒造りを学び、母国の農業振興につなげようと、韓国人の李揆玉(イ・ギュオグ)さん
(43)が、昨年11月から丹波市市島町の酒造会社に住み込んで研修を続けている。3月末
でいったん帰郷する予定で、「日本の手法を取り入れた純米酒造りの指導役になりたい」と
夢を描いている。(小林良多)
李さんは韓国の原州市で有機米を栽培する農家。しかし、韓国では焼酎やにごり酒が一般的
で、大半は小麦が原料のため、酒造りで米の地産地消を進めようと、生産者仲間らの間で
アイデアが持ち上がった。日本酒に関心があった李さんが代表として研修生に選ばれ、生活
協同組合連合会「きらり」(本部・大阪府堺市)を通じ、原料に有機米を使っている丹波市の
山名酒造が研修先として紹介された。
酒造りは全くの素人だったが、十一月末から三カ月間、ほぼ休みなく洗米や麹(こうじ)作り
など酒造りの全工程を学んできた。李さんは「夜も二時間ごとに温度確認をする。まるで
子育てみたい」と間近で見た醸造の厳しさを話す。一方、指導する中村博杜氏は、正月にも
韓国に帰らず、蔵に寝泊まりする李さんを「酒造りを学ぼうとする情熱はすごい。覚悟が
違う」と評価する。
生の純米酒は韓国では手に入りにくいという。「それぞれの酒が自分の味や香りを持っている。
いろいろ飲み比べられるのが幸せ」とすっかりファンになった様子。帰国まであと一カ月あまり。
「日本酒を参考に、韓国人の口に合う酒を考えたい。まだ勉強しなければならないので、来年
もまた研修に来たい」と話している。
ソース:神戸新聞
http://www.kobe-np.co.jp/news/tanba/0000839164.shtml