不倫を売り物にする地上波テレビ(上)(下)
KBS、ナイトクラブでのいかがわしい場面をそのまま放映
http://www.chosunonline.com/article/20080127000019 http://www.chosunonline.com/article/20080127000020 「カラオケに行くと言って家を出てきた。子どもたちは、夫がちゃんと見ているでしょう」
「肉だって食べる人は食べるんだから、1度か2度やってみると、罪の意識もなくなる」
「セカンド(情夫)はどんなに格好悪くても、一応新しい人だし、自分の夫じゃないと思うから、
手を握っても感じが違う」…。今月23日午前、KBS第2テレビの番組『生放送世間の朝』は、
「危機の主婦たち、恋人作り百態」というテーマで、実際の不倫カップルの姿と声を放送した。
顔にはモザイク処理を施し、音声は変えていたが、カメラの前で不倫経験を語る主婦が
6人登場した。同日、李明博(イ・ミョンバク)次期大統領が「KBSは朝の番組で脱線した
主婦の話を何の処理もせず扇情的に放送していたが、公営放送としてひどすぎるのでは
ないか」と指摘した、まさにその番組だ。
地上波テレビが「教養番組」として放送する興味本位の番組の煽情性が、度を越している。
不倫を素材としたドラマが作られるのは既に当たり前となっているが、今やドキュメンタリー
にまで波及しているというわけだ。また、多くの家庭でこうした番組を「背景画面」のように
流しているため、子どもたちまでこうした内容に晒されることも問題だ。生活情報、
ドキュメンタリー番組は番組等級制において例外として分類されるため、画面右上に出る
視聴可能年齢表示がない。視聴者はこれを「全体観覧可」と認識する。
『世間の朝』の制作陣は、カメラを隠して客に扮し、既婚の男女が好んで訪れるという
某ナイトクラブに潜入した。この日の放送では、既婚男女のにわかカップルが体を
ぴったり寄せ合い一緒に踊る場面や、酒に酔って抱き合いながらモーテルに入って
行く男女の様子も流れた。
同番組のキム・イルファン責任プロデューサーはこれについて、「李次期大統領は、
特定の画面だけを見て発言しているようだ。主婦の脱線は社会的病理現象で、家庭の
大切さを理解しようという方向で結論を出した」と語った。放送委員会は25日、報道教養
審議委員会を開き、この番組の煽情性を審議するとした。
また、MBCテレビの『生放送今日の朝』は昨年8月、「外泊ばかりの暴君夫」編で、
妻を殴る夫やそれを見ていられなくなった子どもが父親を殴る場面を、モザイク処理を
施した上で放送した。後にこの番組は放送委から「注意」の措置を受けた。
夕方の時間帯でも、状況は違わない。KBS第2テレビの『VJ特攻隊』は、先月7日夜9時55分、
「野心を抱け、ウェイターの世界」編において、ナイトクラブで出会いモーテルまで行った男女の
姿を詳しく放送した。放送委は「家族揃ってテレビを見る時間帯に、興味本位の映像および
インタビューで不道徳な内容を構成した」として、『VJ特攻隊』に対し「注意」の措置を下した。
再現形式を用いた教養番組も、煽情性をめぐり数々の議論を引き起こした。SBSテレビの
『天人夜話』は昨年11月30日の放送で、向かい側のマンションから夫婦を隠し撮りするという、
道を外れた主婦の姿を放送した。その過程で、妻が家を留守にしている間、夫が別の女性を
家に連れ込み、上着を脱いで女性をソファーに寝かせキスをする場面を流した。
これまで煽情性を問題とみなして放送委が懲戒した番組は、2005年の2件から06年には6件、
07年には5件となり、増加の傾向にある。放送委員会評価審議局のチョン・スン部長は、
「告発番組としながら、不倫を唆すような内容があり、問題だ。その過程で私生活の侵害も発生し得る」
と語った。
淑明女子大情報放送学科の朴天一(パク・チョンイル)教授は、「地上波の教養番組が
刺激的なセンセーショナリズムを追及する場合があり、深刻な問題だ。特に公営放送である
KBSは、視聴率競争から外れ、より慎重にならなければならない」と語った。
チェ・スンヒョン記者
朝鮮日報/朝鮮日報JNS