中国残留孤児の支援を目的に設立され20年以上続いていたにもかかわらず
07年いったん閉鎖された東京都内の食品製造会社が、取引業者などの後押しで
今月、約10カ月ぶりに本格的に復活した。自立を目指す従業員は残留孤児の
2、3世が中心で「やりがいのある仕事が続けられてうれしい」と会社の復活を喜んでいる。
この会社は、東京都葛飾区の「飛鳥食品」(高宮節子社長)。従業員17人のうち、
孤児関係者は13人を占める。
もともと、孤児の訪日調査が始まって5年後の86年12月「飛鳥菜館」(江東区)として
スタート。当初は食品の品質管理などの問題もあり経営がうまくいかなかったものの、
経理を務めていた高宮さんが03年8月、社長に就任し立て直しを図った。孤児らと
接するのは初めてだったが「日本に来て良かったと思えるようにするのが自分たちの
務め」と感じた。
日本のルールや文化を知ってもらおうと、ひな祭りや花見も開催。孤児らにチーム
ワークや責任感が生まれ、生き生きと仕事をするようになった。手作り、無添加の素材が
人気を博し、業績は右肩上がりに。「本場」の肉まんやギョーザを生協などに卸して
きたが、07年3月、創業者の高齢などから閉鎖に追い込まれた。
ところが、閉鎖を知った顧客や取引先から「ほかにはない味。続けてほしい」などと
激励のメールや電話が相次いだ。「とちぎよつ葉生協」(栃木県小山市)の冨居登美子
理事長は「素材にこだわった安心できる食品で、再開を望む会員も多かった」と話す。
こうした声を受け、高宮社長が新会社として「飛鳥食品」を設立し、同年9月末に
創業者から事業を引き継いだ。改装費や新たな機械購入費約5000万円のうち
金融機関からの融資を除く不足分は、取引先の食品機械メーカーなどが機械代金の
支払いを待ってくれるなどした。
厨房機器を納入した長沼製作所(台東区)もその一つで「社会に貢献しようという
高宮社長に共感した」と、約250万円の返済を猶予している。
新会社は、大半の取引先からの注文受け付けを今月から本格的に再開し、旧会社の
時の売り上げ(年商約1億8000万円)を目指す計画だ。高宮社長は「孤児たちが
食品作りのプロとして、誇りを持って仕事を続けられてよかった」と話している。
毎日新聞
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080112k0000e040060000c.html 関連スレ
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