【夕刊フジ】学研地球儀、中国圧力に屈す…台湾を『台湾島』表記、文部科学省・外務省「前代未聞」[01/09]

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1テーブルマナー逆バンジークイズφ ★:2008/01/09(水) 13:23:45 ID:???
学習教材大手「学研」(東京)グループが国内向けに販売する音声ガイド付きの地球儀が、
中国政府から圧力を受けて、台湾を単なる「台湾島」と表記していることが9日、わかった。
同社は「中国の工場で生産しているため、中国政府の指示に従わざるを得なかった」と
釈明するが、文部科学省や外務省は「市販の学習教材とはいえ、前代未聞」と驚きを隠さない。
識者からは「国益を損ないかねない」と憂慮の声も上がっている。
この地球儀は、学研の関連会社「学研トイズ」(東京)が昨秋発売した「スマートグローブ」。
地球儀には各国の地理や文化などの情報を音声で案内するシステムが組み込まれ、情報は
ネットで更新される。年齢に応じた情報選択や地理クイズなどの機能も備える。希望小売価格は
2万8000円と決して安くないが、家族で楽しみながら学べる教材として人気を集めている。
本体は何の変哲もない地球儀だが、台湾(中華民国)について、「台湾島」と記載している。
また、樺太の南半分や千島列島をロシア領として色分けしている。これらはサンフランシスコ
講和条約(1951年)で日本が領有権を放棄した後、帰属先が未定となっているため、日本の
地理の教科書では、日露のいずれにも属さない白い表記になっている。台湾島という呼び名や
千島などのロシア領表示は、いずれも中国発行の地図で一般的に使われる表記で、この地球儀は
いわば「中国仕様」だ。台湾について、日本の外務省のホームページは、国交のない北朝鮮や、
香港などと同様に「地域」と位置づけているが、この地球儀には地域としての注釈もなく、日本と
互いに年間100万人以上が往来する「台北」の都市情報も音声案内から除外されている。
日本の市場で販売される地球儀が、なぜ「中国仕様」になったのか。その経緯を、学研トイズは
「もともと香港のメーカーが開発し、日本語版の製造、販売権を当社が取得した。当初は日本の
学校教科書同様の表記をするつもりだったが、工場が中国にあり、中国政府から表記を変更しないと
日本への輸出を認めないと迫られた。すでに玩具ショーなどで注文が殺到していたので、仕方なく
中国政府の指示に従った」と説明した。購入者からの問い合わせや苦情を見越し、同社は応急措置と
して、説明書にメモを添付。メモには「生産国の中華人民共和国政府の指示により、地球儀表面の
『台湾』の表記が『台湾島』音声が『中華人民共和国』となっておりますことをあらかじめお断り
させていただきます」などと記している。初回製造の1万個は完売。次回の入荷分にすでに7000個の
予約が入っているが、外箱には表示に関する断り書きなどがないため、購入者からは「事前説明なしに
売るなら食品偽装と同じ」といった苦情があったという。
文科省や外務省は「教科書や正規の学校教材でない以上、官庁の検定の範囲外だが、非常に珍しい
ケース。一般購入者が『見慣れない地図』という違和感があっても不思議ではない」という。東アジア
情勢に詳しい伊原吉之助・帝塚山大名誉教授は「世界地図の表記はその国の利益に直結しており、
他国の主張にやすやすと屈服し、自国で販売するというのは主権侵害への加担であり、一企業の
商行為でも不誠実のそしりは免れない。それが学習教材大手というからなおさらだ」と話した。
台湾(中華民国)は日本と歴史、経済、文化的に緊密な関係にあるため、1972年の日中共同声明以降も、
「台湾は不可分の領土の一部」と主張する中国に対し、日本政府は「立場を十分理解し、尊重する」と
表現するにとどめている。昨年末の福田康夫首相の訪中時も、共同記者会見で温家宝中国首相が福田
首相の発言を紹介した際、通訳が「福田首相は台湾の独立に反対を表明した」と誤訳し、福田首相が
慌てて「支持しない」という表現に修正する一幕もあった。

夕刊フジ http://www.zakzak.co.jp/top/2008_01/t2008010901_all.html