アジアの大気汚染物質排出量、23年間で2・8倍に
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20071010it13.htm アジア地域の大気汚染物質の排出量が、1980年からの23年間で約3倍に増えたことが、
国立環境研究所が10日発表した調査結果で判明した。
特に中国とインドの排出量が多く、2020年にはさらに倍増する恐れがあるという。
環境研は、九州大などと共同で、アフガニスタン以東のアジア24か国の産業動向や統計データ
などを分析。工場や火力発電所、自動車などから出る窒素酸化物(NOx)、二酸化硫黄(SO2)などの
大気汚染物質の量を推定した。
その結果、2003年のアジア全体のNOx排出量は2950万トンで、1980年(1070万トン)の
2・8倍になった。中でも中国とインドの割合が大きく、両国で66%を占めた。
中国の場合、NOx排出量は四半世紀で約4倍に増えた。排出増の主因は石炭を燃料に使った
火力発電所と工場だった。
環境研は将来(2020年)の排出量も予測。やはり中国の動向がポイントで、中国が現状のままだと、
アジア全体で00年に比べ80%以上増加するが、中国が対策を強化すれば、25%増にとどまるという。
環境研の大原利真・広域大気モデリング研究室長は「欧米の排出量は最近は横ばいで、
石炭を多用するアジアの伸びが際だっている。公害防止技術の導入や規制強化を急ぐ必要がある」
と話している。
(2007年10月10日21時11分 読売新聞)