【台北・庄司哲也】台湾の与党・民進党は3日、公金の横領で起訴された游錫コン党主席の辞任を承認し、
陳水扁総統の党主席への復帰を求めることを決めた。党内では游氏の突然の辞任を受け、党内選挙の実施に
よって予想される混乱を回避するため、陳総統の党主席復帰を望む声が高まっている。
陳総統は04年12月の立法委員(国会議員)選挙で与党が敗北した責任を負い、党主席を辞任。昨年5月には
娘婿が株のインサイダー取引容疑で強制捜査を受けたことを受け、党務から身を引くことを宣言している。
民進党は来年3月の次期総統選に向け、謝長廷・元行政院長(元首相)を総裁候補に決めている。陳総統に
とって党主席への復帰は、ライバルの謝氏に傾きかけている党内の求心力を再び取り戻す意味がある。
一方で、陳総統にとって党主席への復帰はリスクも伴う。来年1月の立法委員選挙と総統選の二つの選挙の
責任を背負うことになり、敗北すれば総統退任後の影響力の一層の低下も招きかねず、陳総統には慎重な
判断が求められそうだ。
毎日新聞
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20071004k0000m030050000c.html