【マニラ=遠藤富美子】在任中のとばく上納金収受や地方交付金着服で、総額約40億ペソ(約100億円)を
不正蓄財したとして、国家財産略奪罪に問われているフィリピンのエストラダ前大統領に対する判決公判が
12日、比公務員犯罪特別裁判所で開かれ、同裁判所は終身刑を言い渡した。
また、エストラダ氏の銀行預金約7億3100万ペソや、マニラ首都圏に所有する不動産の没収も命じた。
エストラダ氏側は判決を不服として、最高裁に上告するとみられる。国家財産略奪罪と同時に問われていた
偽証罪では、無罪が言い渡された。
エストラダ氏は、不正蓄財疑惑から弾劾裁判にかけられ、2001年1月、民衆革命により、大統領の座を追われた。
軟禁生活は6年以上に及ぶが、貧困層を中心に支持者が多く、野党に大きな影響力を持つ。
マニラ首都圏ではこの日、警察・国軍が約6000人態勢で警戒する中、判決に反発するエストラダ支持者が
デモを行った。
(2007年9月12日14時26分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070912id02.htm