プーアル茶や蘭まで投資過熱、ブログ界でも懸念の声
中国ブログ最新トレンド論説 第8回(5月)−長谷川昌志
2月27日に上海から始まった世界同時株安から一転、中国の株価は急激な上昇を続
けている。中国株式市場の口座開設数も上海・深セン両証券取引所を合わせて1億の大台
に達したと伝えられた。
「股民」という言葉がある。中国語で投資家という意味だ。この「新股民」が1日
数十万の単位で増えている。【今日のブログ】5月25日配信の「勤務中の株取引が社会
問題に!」で紹介したように、投資熱は過熱する一方である。
人々の揺れる心境もブログに表れている。新浪BLOGのアクセスランキング第3位
のacostatのブログでも、今まで株式投資をしていなかったが、周りの人々の「株価
が倍になった、40%上がった」などを連日聞いていると、心が乱されると綴っている。
もはや株価は国民の最大の関心事となっている。
政府要人の見解も様々。政府系シンクタンクである国有資産監督管理委員会(国資委)
研究センターの王忠明主任は「みんなが株投資することはよいこと」と言えば、教育部の
王旭明報道官は学生の株取引を諫める。
そして投資熱は不動産や株式投資だけではない。投機が異常に過熱しているものに
プーアル茶と蘭の花がある。「広州日報」によれば、通常の蘭の花一輪が投機者によって
1鉢120万元までに価格が高騰しているという。蘭の花は梅や竹、菊と並んで「四君子」
と称され中国人に好まれる花。1990年代に君子蘭の価格が上がり、04年の蘭花博覧会
の取引額は3500万元、06年には1億5000万元を突破し、2年間で市場は4倍規模
に膨張している。
プーアル茶への投機も激しい。03年の時点で北京の茶葉卸売り市場の馬連道路で20元
から30元で販売していたプーアル茶が現在では100元を軽く超えている。中国の茶葉の
集積地である広州の芳村南方茶葉市場では、04年までは取り扱う茶葉の95%が烏龍茶
だったのが、現在ではプーアル投機ブームにより、100%プーアル茶しか扱わない店舗も
急増している。
プーアル茶は他の茶葉と異なり月日が経ったものほど高額で取引される。07年の広州市では
1グラム当たり3000元の値が付いた茶葉もあり、これは金の時価を数十倍も上回っている。
(関連:趙世龍的BLOG)
この状況を16世紀中葉のオランダのチューリップバブルに例えて懸念する声も上がり始
めている。珍しいチューリップの球根が投資の対象となり、どんどん過熱化し1636年には
高級品種の球根一株が二頭立ての馬車と交換でき、翌年には球根の上昇率が5900%に達
していたバブルの手本となる歴史的史実を紹介する。(関連:駱新的BLOG)
不動産、株式、蘭から茶葉と過熱化する投資をバブルと危惧する声も聞かれる。財政部も
30日、証券取引に課せられる印紙税率を引き上げた。不健全な異常なスピードでの膨張を
抑えることができるか。投資の過熱と抑制、中国現地ブログもこの話題で当面盛り上がりそうだ。
(編集担当:長谷川昌志)
2007/06/02(土) 20:58:02
中国情報局
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0602&f=column_0602_004.shtml 関連
【中国経済】 1日中国株市場:再び急落、ろうばい売り広がる [06/01]
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1180684596/