>>655 これですね
【The doomed empire : Japan in colonial Korea M.J. Rhee著】
出版者 Aldershot : Ashgate 1997年刊・178頁より(翻訳/重村智計・拓殖大学国際開発学部教授)
Christine・Rhee女史
1960年生まれ。現在、アメリカPortland州立大学教授。
梨花女子大卒業後アメリカに留学、Rutgers大学で博士号取得。
著書の「滅亡の帝国−日本の朝鮮半島支配」は、欧米の研究者の間で話題を呼んだ。
「搾取と抑圧の下、ひたすら犠牲を強いられた暗黒の36年」という植民地史観が今なお日本や韓国では根強い。
それどころか、決して疑義を差し挟んではならない絶対の真実にすらなっている。
だが、日本の植民地経営は世界史的にみてどうだったのか。
コロニアリズムというキーワードをもとに理論的、実践的にこの問題に取り組んだのが、
在米の韓国人女性研究者、クリスティン・リー氏である。
リー氏はイデオロギーに振り回され学問的方法論に依らないこれまでの研究を厳しく批判する。
私はアメリカの大学院で指導教授たちに言われた次の言葉を、今なお忘れることができません。
「日本の植民地は、その後いずれも経済発展したではないか。そんな結論の出ている問題をいまさらどうして研究するのか」
米国の名門ラトガース大学のダン・ローデン教授は、私が博士論文の主題について日本が
朝鮮半島を植民地支配した時代の教育と女性問題について研究したいとの計画を説明すると、このように反問しました。
(続く)
>>667から
「文明のシステムを、日本の植民地主義は朝鮮半島に導入したのではないか。
スペインやアメリカ、イギリスは日本のように本国と同じような教育システムを植民地に導入しようとはしなかった。当時の朝鮮半島の人々は、文明のシステムを独自の力で導入するのに失敗した。
日本の植民地主義を経ずに、あれほど早く文明の世界システムに入れただろうか」
私は、この発言に怒りが込み上げ懸命に反論しようとしたが、頭の中が真っ白になり感情だけが高ぶったのを覚えています。
そんな論文を書いたら、韓国に戻れなくなるとの不安が一瞬心をよぎりました。
論文の相談をした別の経済学専攻の教授は、「植民地化された国家の中で韓国と台湾ほどに発展した国家はない。
アメリカやイギリスの植民地で、台湾や韓国ほど発展した国があるか」とまで言うのでした。
私の不満そうな表情を見たローデン教授は、次のようにも問いかけました。
「日本の植民地支配を非難する韓国人の留学生の一人が、自分の父親が東京帝国大学出身であると自慢げに話した。
これは、暗黙のうちに日本が導入した文明のシステムを評価していることになる。
本来なら、東京帝大を卒業した父親を非難すべきではないか」
こう言われてみると、確かに東京大学はもとより京都大学、早稲田大学、慶応大学を卒業したことを誇りにする韓国人は少なくないのです。
当然韓国の側に立ってくれると思った第三者のアメリカ人学者の発言は、ショックでした。
こうして私は1997年に『The doomed empire : Japan in colonial Korea』(滅亡の帝国:日本の朝鮮半島支配)を、英国で出版しました。
日本の植民地支配下での教育問題を、学問的に整理し、感情論でなく客観的に理解する素材を提供したいと考えたからです。
>そんな論文を書いたら、韓国に戻れなくなるとの不安が一瞬心をよぎりました。←覚悟したんですね
Christine・Rhee氏論文は読んでいませんから内容は不明ですがAnne Booth氏論文と比較してみたい