「北朝鮮の北〜シリーズ『中朝開戦』(1)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/cvsnk.html >
「脱北者のウソ〜シリーズ『中朝開戦』(2)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/sklie.html >
「戦時統制権の謎〜シリーズ『中朝開戦』(3)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/wtctrl.html >
「国連事務総長の謎〜シリーズ「中朝開戦」(4)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/unsg.html>
北朝鮮の核(ミサイル)開発の仮想敵国は中国だったのだ。内陸国・中国の侵略に備えるために、
半島国・北朝鮮が「決定的な破壊力を持つ兵器」を保有したがっている・・
中国としては、北朝鮮の体制崩壊を防ぐために石油や食糧の援助を北朝鮮に送ってはいるが、
この厄介な隣国がいつ米国の勢力圏にはいるかわからないので、「敵に渡すぐらいなら、
その前に自分のものにしたい」という防衛策を考えるのは、地政学上当然だった。
2002年、中国政府は、現在の中国東北地方(旧満州)東南部から北朝鮮にかけての広大な地域を
紀元前37年〜紀元後668年に支配した古代国家・高句麗を、朝鮮民族の王朝ではなく、中国の
地方政権と位置付けて中国史に編入するためのプロジェクト「東北工程」を開始し・・
これは紛れもなく、中国が北朝鮮を侵略するための伏線、侵略の「大義名分作り」である。
冷戦後、中国との国境に紛争の火種を抱える北朝鮮が、中国の支援を得て韓国を攻撃すること
などありえず、また、中朝国境の問題がある以上単独で日韓を攻撃する余裕もなく、したがって
米国が(日韓を守るために)北朝鮮を空爆する理由などないはずだ。
北朝鮮が米国に求めた「体制の保証」とは、「北朝鮮が中国と戦争するとき、石油の供給などで
応援して、中国の侵略から守ってくれ」ということなのだ。
中朝が開戦するということは、朝鮮半島が不安定になるということであり、その可能性がわかれば、
韓国に進出している外国企業は難民の大量発生や戦火の飛び火を懸念して一斉に逃げ出すに違いない。
韓国は日米などと違って自前の技術や資本をほとんど持たない二流経済国なので、外国企業に逃げ
られれば、経済が一気に衰退し、三流国に転落する。
同じことは、中国の、とくに東北地方(旧満州)にも言える。北朝鮮のように、失うべき経済インフ
ラを何も持たず、重要な軍需工場をすべて地下に建設している国とは異なり、中国の大連や北京の
「地上部分」には豊かな工業団地や中産階級の住宅があるので、そこにミサイルを一発撃ち込まれ
ただけで、中国全土はパニック状態になる。北朝鮮のノドンミサイルは上海にラクに届くし、テポ
ドンミサイルも、近い将来性能が上がれば、さらに遠くの中国領土を攻撃できる。
中朝開戦の恐れがある、などという情報が流れれば、韓国だけでなく、中国(東北地方)からも外国
資本が逃げ出して経済が衰退し、中国市場への輸出に依存している日米欧の企業も打撃を受ける。
だから、そんな情報はあまり早く流れないほうがいい(但し、いつまでも中国の野放図な環境破壊や
資源の浪費を放置しておくと「ある日突然」中国経済が破綻し、世界経済全体が大打撃を受ける恐
れがあるので、世界はそろそろ「中国依存症」から脱却しなければならないことも間違いない)。
北朝鮮の年間石油輸入量は100万トンとも言われており、それに匹敵する重油(を輸入するための
金銭)を米国が単独で北朝鮮に与えることが可能になったのだ。
もちろん、この重油100万トン相当の支援が与えられれば、北朝鮮は石油の供給を中国に依存する
必要はなくなり、いつでも中国を攻撃できる。
2007年の6か国協議は(94年の米朝協議も)元々米国が北朝鮮に「一方的な支援」を行う口実を作る
ための通過儀礼であり、上記の「合意」は中朝開戦に向けた米朝の出来レースと見てよい。