中国政府は8日、パナマ向けの薬用シロップと、米国とカナダへ輸出されたペットフードに、それぞれ毒性物質が混入していたと発表した。
6日付米ニューヨーク・タイムズ紙によると、パナマでは365人分の死亡報告のうち100人が確認されたという。
いずれも中国企業が輸出したもので、ずさんな管理が原因とみられる。中国政府は8日、シロップと死亡の因果関係を認めた。
ニューヨーク・タイムズ紙などによると、パナマで昨年、内臓の機能低下などの不調を訴えた多数の患者が原因不明で死亡した。
パナマ政府の依頼を受けて調査した米食品医薬品局(FDA)が、患者らが服用したかぜ薬の原料として「グリセリン」と表示があった
シロップは中国製で、有毒なジエチレングリコールが含まれていたことが判明した。
同紙によると、パナマでは365人の死亡報告があり、うちこれまでに100人の死亡が確認されているという。
シロップはスペインや中国の貿易会社を通じて輸出され、江蘇省にある化学薬品会社がグリセリンに安価なジエチレングリコールを混ぜて
製造していたという。
8日に行った中国外務省の会見で、姜瑜副報道局長は「グリセリンの代わりに医薬品には使用できない
化学薬品が使われた」と述べ、死亡との因果関係を認めた。
さらに国家品質監督検査検疫総局は、江蘇省と山東省の2社が製造して北米に輸出されたペットフードからも、
樹脂などに使われるメラミンが違法に添加されていたことを明らかにした。
米国とカナダでは今年3月、これらのペットフードを食べた数百匹の犬と猫が原因不明で死亡。
FDAが中国側に調査を依頼していた。同総局は2社の責任者らを立件する方針。
同総局はさらに、179社の食料品輸出企業について緊急立ち入り検査をしたほか、粉ミルクやめん類など
12種類の小麦製品のサンプル調査も実施。いずれも異状はなかったという。
ソース:朝日新聞
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