>>1 解説しよう。
この「中国自主開発の300km/h級高速列車」は実は2種類ある。
一つは、CRH2と呼ばれる、この4月に営業を開始した「はやて」型。川崎重工からのライセンス生産である。
このCRH2はモーター車を減らしたデチューンバージョンなのだが、これにモーターを追加して300km/h運転を可能にする。
モーターを追加したバージョンはCRH4と呼ばれる予定で、今年末の京滬高速鉄道の完成に合わせて改造される予定。
もう一つはCRH3と呼ばれる、ドイツジーメンス製の車両。こちらは「ICE3」型そのまま。
最初から300km/h運転を行う予定で、昨年末に本国生産版が到着。今回の記事はこれのライセンス生産版と思われる。
中国国鉄の場合、かつてドイツICE1をコピーした「中華之星」という高速列車を試作、量産に失敗しているので、その際の
生産設備を用いたリベンジの側面も強い。
なお、記事中に「振り子列車」の記述もあるが、これはフランスアルストム社(旧イタリアフィアット社)製のCRH5を指す。
これまたイタリアの「ペンドリーノ」のライセンス生産で、現在は振り子機能はないが、後日追加装備する事が計画されている。
平たく言うと、中国の高速列車は、無断コピーの試作車で延々と失敗した挙げ句、世界中の高速列車をかき集める羽目になった。
応札したどの国も、モンキーモデルを適当に放り込んでいる。彼らの言う「国産」は、世界基準からは大きく離れている。
さらに追記すると、今回の「はやて」の輸出は、川崎重工の独断に近く、東日本は追認の形に近い。
計画初期から東海などが深く関与した、台湾高鉄とは大きく事情が異なる。
輸出に際して川重は、「はやて」からの設計変更を徹頭徹尾嫌い、停車駅の全てのホームを新幹線レベルまでかさ上げさせる等、
かなりのワガママを中国国鉄に通した。ボッタクリ方も結構えぐかったらしく、川重の業績は絶好調である。
台湾と違い、「新幹線の運行運営システム」は輸出されなかったため、ケースとしては現地生産、中国は鵜飼の鵜に近い。
おまけに連中は、「国産」と言い張っているため、何かあっても責任を取らないで済みやすい。