2007年05月02日06時25分
原子力発電の燃料になるウランで世界2位の埋蔵量を誇るカザフスタンが、韓国との鉱山開発計画を
凍結していたことが1日、分かった。カザフの関係筋が明らかにした。立場を強める資源国が買い手を
選別する姿勢が鮮明になり始めた。
韓国では原発20基が稼働し、総出力量は世界6位(06年末現在)。さらに8基を新設する計画を
立てているが、ウランの調達難が懸念されており、安定的な確保を狙う盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は
04年9月、カザフを訪問。ナザルバエフ大統領との間で共同開発に関する議定書を結び、韓国企業と
カザフ国営原子力会社が具体化を協議していた。
関係筋によると、韓国は精鉱のままの状態でのウランの受け取りを要求。これに対し、供給国から
加工国への脱皮を目指すカザフは、韓国がカザフの加工工場を使ったり、技術を供与したりすることを
求め、交渉が行き詰まったという。韓国産業資源省は取材に対し、「韓国には加工の企業群があるうえ、
カザフで加工するとコスト高になる」としている。
日本はウラン外交に出遅れ、06年8月になって小泉首相(当時)がカザフを訪問。その後、原子力産業を
総動員し、加工工程を含む広範な技術供与を提案し、巻き返しを図った。先月末の甘利経済産業相の
訪問時には、ウラン輸入量に占めるカザフの割合を現在の1%から3割超まで引き上げられる権益を獲得した。
カザフが、積極的な資源外交を展開している中国とウランの長期売買契約を結んだことも明らかになった。
共同開発を含めて幅広く提携する可能性も示唆している。
ソース:
http://www.asahi.com/international/update/0501/TKY200705010442.html