米大学乱射:韓国系への反発広がらず
米バージニア工科大の銃乱射事件のチョ・スンヒ容疑者が韓国出身だったことは、
米国に約200万人が住む韓国人や韓国系住民に暗い影を落とした。ただ、当初
懸念された韓国人社会への大きな反発は広がっておらず、1人の犯罪によって
民族全体が罪を背負う必要はないという声もある。
韓国人商店を狙った黒人暴動が1992年に起きたカリフォルニア州。
地元の韓国系教会で指導的立場にあるカン・スクヒーさん(53)は、
事件について「ただただショックを受けた」と話し、韓国人社会として
犠牲者を悼むため、教会で追悼式を開いた。
一方でカンさんには、今回の問題は「精神を病んだ容疑者の問題」で
「韓国人社会が責任を問われる犯罪ではない」という思いもある。
32人が殺害された今回の事件は米史上最悪の惨事となったが、
これまでの乱射事件の犯人はほとんどが白人。168人の死者が出た
1995年のオクラホマシティー連邦ビル爆破事件の犯人も白人だったが、
だからといって白人全体が責められたわけではない。
中枢同時テロ後、米国では今もアラブ系や南アジア系のイスラム教徒に
対する偏見が残る。このため米メディアは今回の事件直後から、韓国人
社会が嫌がらせや反発を受けることを懸念する報道を行っていた。
(ニューヨーク共同)
毎日新聞 2007年4月22日 16時20分
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070422k0000e030036000c.html