現代グループの故・鄭夢憲(チョン・モンホン)元会長の秘密資金150億ウォン(約19億2700
万円)は一体どこへ消えたのか。2003年の対北送金をめぐる特別検察庁と最高検察庁の中央
捜査部による現代の秘密資金捜査を経て、4年にわたり検察の捜査が行われてきたが、資金の
行方は依然として五里霧中だ。
ソウル中央地検の捜査部は16日、秘密資金と関連する名誉棄損控訴事件の捜査を中断した
と発表した。これは「李益治(イ・イクチ)元現代証券会長は米国ロサンゼルスの韓国系銀行に
巨額の預金があり、これが鄭元会長の秘密資金の可能性がある」という内容の『月刊朝鮮』
(2005年12月号)の報道などに対し、李益治氏が控訴した事件だ。李益治氏自身が実際にロサ
ンゼルスの銀行に預金をしているのか、もしくはその出所が鄭元会長の秘密資金なのかは、
いずれはっきするだろうと注目されていた。
しかし、検察は記者らが取材源保護を盾に取材源を明らかにしなかった上、事件の「鍵」を
握っていた武器商の金永浣(キム・ヨンワン)氏の行方までもはっきりせず、捜査を進めること
ができないとし、真相把握を留保したというわけだ。検察は報道されたロサンゼルスの銀行の
預金主を確認するため、昨年米司法当局に協力を要請したが、「プライバシーの侵害」を理由
に協力を得ることはできなかった。検察は金氏の所在が分かり次第捜査を再開する方針だが、
事件が迷宮入りする恐れもある。金氏は2003年3月に家族と渡米して以来、公式に韓国に入国
した形跡はない。
李氏は03年、特別検察と検察に「鄭元会長の指示で00年4月、朴智元(パク・チウォン)文化
観光部長官(当時)に1億ウォン(約1284万円)のCD(譲渡性預金証書)150枚を渡した」と陳述
した。また、金永浣氏も「朴元長官から150億ウォンのCDを預かり、管理してきた」との陳述書を
提出、朴元長官は03年6月に逮捕された。
しかし、裁判所は昨年9月、「李氏と金氏の陳述には一貫性がなく、有罪と認める証拠がない」
とし、朴元長官の無罪を最終確定した。こうして資金を受けた人物がいなくなり、150億ウォンが
宙に浮いてしまったというわけだ。また03年、現代グループの秘密資金捜査の際に「朴元長官
が預かった資金」とし、金氏が検察に証拠として提出した国民住宅債券40億ウォン(約5億1000
万円)も、朴元長官に対する無罪宣告により主人が消え、「押収状態」のまま眠っている。
http://www.chosunonline.com/article/20070417000056