【日韓】 不動の人気を誇った韓国への修学旅行が減少 [04/04]

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2007年4月4日発行版
http://www.onekoreanews.net/news-syakai02.cfm

■韓国への修学旅行が減少 
巻き返し図り安全対策  韓国警察エスコート
 日本の中高生が修学旅行で海外に出かけて行くのは珍しいことではなくなった。
海外とはいえ、行き先によっては国内旅行よりも費用が安上がりの場合も多々ある。
韓国はそんな海外修学旅行先として脚光を浴びてきた。海外修学旅行先はしかし、
多様化しており、不動の人気を誇った韓国への旅行は年々減少傾向にある。
(社会部・鄭敏雄)

香川県立高松西高校の韓国修学旅行団(写真提供=韓国観光公社)
http://www.onekoreanews.net/img/syakai/07040402.gif

 日本で海外への修学旅行は、グロバール化に伴う国際教育の必要性や学校の特色化を
図るための大きな流れとなって年々増加してきた。
 中でも韓国への修学旅行は、韓国政府によるノービザ制度導入(1983年)や
韓国観光公社の地道な宣伝・誘致活動により、私立学校を中心に増え続けた。
地理的に近い上、修学旅行先としては安全性が確保されていたからだ。96年には、
約4万5000人にのぼる日本の中高生が、韓国の地を踏んだ。
 ところがこの年を境に韓国への修学旅行者数は徐々に減少。現在はその半分に落ち込んでいる。
 原因の一つは、豊富な財源をもつ私立学校が英語圏へとシフトしていることだ。
費用や日数などさまざまな制約のある公立高校に対し、私立学校は、修学旅行の
実施権を学校長などがもっている。(財)日本修学旅行協会によれば、97年以降、
多くの私立学校は、英語圏で修学旅行を実施してきた。とはいえ、私立学校は
日本の学校全体の20数%に過ぎない。
 「規制が緩和されつつある公立学校を誘致することで、巻き返しは可能だ」と、
観光公社関係者は自信をのぞかせる。

 そんななか、墨田区立両国中学校は、今年の5月に韓国への修学旅行を実施する。
関東圏で、公立中学校が海外で修学旅行を実施するのは今回が初めてだ。
 「若いうちに海外に出て異文化を体験してもらいたかった。勉強熱心な韓国の生徒と交流し、
刺激を受けてほしい」と、同校の森本芳男校長は修学旅行先として韓国を選んだ理由を話した。
 教育委員会は「前例がない」と、厳しい反応を見せたが、森本校長が説得。最終的には
「くれぐれも安全面で慎重に」と、応援してくれたという。

 韓国はアジアの他の地域に比べ安全面での評価は高い。だが、自動車の保有率の
増加に伴い交通事故も増えている。事故率は人口比で日本の約3倍にもなる。
1988年5月には、高速道路上で岡山の吉備高等学校のバスにトラックが追突し、
13人が負傷したケースもあった。韓国は事故を教訓に、安全対策の強化を図っている。

 韓国観光公社によると、韓国では2001年9月から、修学旅行団の車両を警察が
エスコートしている。韓国観光公社が警察庁に依頼しているという。修学旅行団のバスを
警察がエスコートするのは、世界初の試みだ。アジアの他国が「近くて安い」を売り物に
海外修学旅行先として名乗りをあげている中、依然韓国の人気が高いのは、この安全対策
にあると言えそうだ。

 両国中学校の森本芳男校長も「韓国の安全対策面は大きな判断材料になった」と話している。
 韓国観光公社は、安全面のほかに、現地学生との交流や異文化体験、旅行の
感想文・写真コンクールなど、さまざまな面で韓国での修学旅行をサポートしている。
 従来の「観光・周遊型」から旅の質を重んじた「体験・滞在型」へ変わりつつある日本の修学旅行。
さらなる誘致拡大のため、韓国の模索は続く。