外国銀行、ベトナム本格進出に慎重姿勢
外国銀行は2年ほど前から国内行の株式取得を進め、これまでに▽OCB、▽VP Bank、
▽アジア商業銀行(ACB)、▽Sacombank、▽東アジア銀行(EAB)、▽Phuong Nam銀行、
▽Techcombankの7行が外国投資家に株を売却している。
某国内行頭取は、株式売却の発表直後、数十の外国行が来訪して金額を提示、高額の
ケースも多かったと話す。だが規定上、外国行の国内行株取得は10〜30%に制限されてい
る。
HSBCはTechcombank株を10%購入し、その後も10%の追加取得で交渉が妥結しているが、
追加取得に関して国家銀行の認可がまだ得られていない。
外国行は、国内行株取得について国家銀行の許可を待つ一方で、100%出資の子銀行や
支店設立を申請している。すでに外国行の多くが駐在員事務所・支店を設立、支店設置済
みの銀行では、シェア獲得に向けサービス充実を図っている。
だが、外国行の支店設立には最低1,500万ドル、100%出資の子銀行設立には同7,000万
ドルの資本金が必要で、特に子銀行設立の場合、親銀行は100億ドルの資産保有が条件に
なるなど、ハードルは高い。
国家銀行戦略室Le Xuan Nghia氏によると、外国行はベトナムに進出する外資企業を主な
対象に活動する方針だが、その外資企業はすでに他行と関係を持っている場合が多い。
このため外国行はベトナム進出に際し、慎重姿勢を崩さない。外国行の大半が確実なシェア、
拠点の地理的条件、人材の安定供給を見込んだ上で事業を開始する。支店であれば、万一
ベトナムでの事業が不調に終わっても撤退は可能だ。だが100%出資のベトナム「国籍」の
銀行となれば、簡単に倒産はさせられない。
今年4月1日から100%出資の銀行設立が認められるが、簡単に設立が相次ぐわけでもないだ
ろう。引き続き外国行による国内行株式の取得が制限されるのであれば、国内行買収も進ま
ない。こういった事情からNghia氏は、今後数年は国内行と外国行間で激しい競争は起こらな
いと予測している。 (Dau Tu)
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