【経済】日の丸半導体、韓国メーカーとの勝負:天下分け目の正念場【2/8】

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原題:日の丸半導体、天下分け目の正念場


 あの時に似ている──。

 1月30日、米マイクロソフトの新OS(基本ソフト)「ウィンドウズVISTA」が発売された。テレビが流す秋葉原に集った人々の姿に、
いま一つ盛り上がりに欠ける空気を感じながら、私は11年前のことを思い出していた。
 1995年11月にウィンドウズ95が発売された時の熱狂は凄まじいものだったが、脳裏に浮かんだのはそのことではなく、
その後にやってきた半導体市況の崩落と日本メーカーの凋落である。

日本の半導体メーカー、転落の始まりは「ウィンドウズ95」

 ウィンドウズ95は当時としては画期的なOSであり、パソコンを一気に普及させた。ハイテク業界と株式市場は熱狂した。
特にパソコンへの供給が大幅に増えたDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)は、OS発売の1年以上前からずっと品不足が続いていた。
 パソコンのコスト全体に占めるDRAMの割合は当時7〜8%だったが、それが15%近くにも達していたのである。
OS発売の時点では、DRAMの供給不足はまだ続くという見方が大勢を占める中、当時、アナリストであった私は、市況崩落の時は近いというスタンスに立った。
 勝負の時である。市況悪化を前提に半導体関連銘柄を「強気」から「弱気」に転換したことに対する業界や投資家からの反響、反発は猛烈だった。
「弱気なのは君だけだ」「大げさだ」「好況に水を差すな」「それでもアナリストか」…。半導体関連株を大量に保有していたある有名な海外機関投資家は、
「お前は嘘つきだ。勉強し直してから来い」と言って、有名外資系証券会社の強気のリポートを突きつけて私を追い返した。
 しかし、私の予測は的中してしまう。OS発売直後の年末年始にパソコンメーカーが在庫の放出を始めたのが“峠”だった。下り坂を転がり始めた市況はもう止められない。
96年にDRAM価格はなんと70%近くも暴落し、大手半導体メーカーは軒並み減益となった。
 しかも、この市況悪化は日本の半導体メーカーの転落の始まりでもあった。
 95年の半導体売り上げランキングは、1位こそ米インテルだったが、2位から4位をNEC、東芝、日立製作所が占め、8位と9位にも富士通、三菱電機がいた。
全体で日本勢は40%のシェアを占める圧倒的な強さを誇っていた。
 しかし、96年から始まったDRAM市況の大変動の波に翻弄されたうえに、2001年のIT(情報技術)バブル崩壊によって日本勢はとどめを刺されてしまった。
DRAMから撤退するメーカーが相次ぎ、三菱、富士通は圏外に脱落。上位5社になんとか残ることができたのは東芝だけ、日本勢のシェアは20%台へと半減したのである。

早くも「VISTA不況」の気配、あの悲劇が再び?

 あの悲劇が再び繰り返されるのではないか──。そう考えてしまう材料が一通り揃っている。
 11年前と市場構造は大きく変わり、パソコン依存度は減り、デジタル家電向けが増え、参入メーカーは減った。だが、今でもDRAMは半導体市場の15%程度を占め、
全体の先行指標となることが多い。
 2006年は、VISTA発売を控えてパソコンメーカーからの先行発注が相次いだうえに、歩留まり悪化という技術的な問題も重なり、DRAMは品不足傾向にあった。
年後半からの充足率は70%前後と低迷が続いた。スポット(小口、投機的な取引)市場で主流の512メガビット(メガは100万)の「DDR II」の価格は夏頃に1個5ドル前後だったものが
12月には7ドル弱まで高騰した。パソコンのコストに占めるDRAMの割合は、通常5〜10%に対して15%近くにまで上昇した。

(以上1、以降は>>2

ソース:日経ビジネス
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20070207/118593/?P=2

依頼
◆◆◆スレッド作成&継続依頼スレ★075◆◆◆
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1170730690/220
ID:v3wBnjZsさん
2<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん:2007/02/08(木) 14:19:49 ID:W0bZfE+L
反日体が、出来ました。
3<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん:2007/02/08(木) 14:20:30 ID:BTjxZ/+m
>>1
無理矢理感が凄いな
(>>1続き)

 DRAMメーカーはここぞとばかりに積極的な設備投資に走った。システムLSI(大規模集積回路)が低調なこともあり、装置メーカーの受注もDRAM向けが大半になった。
半導体業界全体が「DRAM依存」に傾き、DRAM市況が軟化すると半導体市況全体が一気に崩れる危うさが高まっていたのである。
 急変は1月下旬に起こった。1月上旬までは1個6ドル弱を維持していたDDR IIが、1月下旬には3割安の約4ドルに暴落したのである。変動幅の大きいスポットとはいえ、
2週間くらいの短期間でここまで価格が急落するのは異常である。大口価格も、パソコンメーカー側がオファーする3.5ドル、半導体メーカー側が維持したい4.5ドルの間での攻防だが価格は下落傾向にある。

引き金を引いたのは「韓国メーカー」の在庫放出だった

 急落の原因としては、VISTAの先行買い一巡とVISTAそのものへの期待はずれ感、歩留まり向上、先に価格急落したNANDフラッシュメモリーからのライン転換による供給量の増加などが挙げられるが、
今回引き金を引いたのは最初にスポット市場に大量の在庫を放出した韓国の半導体メーカーだと言われている。
 需要の低迷が見えてきても、装置産業であるDRAMメーカーは工場の稼働を急に止めるわけにはいかない。2月は在庫に在庫を積み上げることになり、
3月中にはDRAMメーカーの営業損益の限界コストである3ドル近くでの攻防が始まるだろう。2006年に高値に苦しめられてきたパソコンメーカーの中には、
変動費割れとなる2ドル前半という厳しい要求を半導体メーカーに突きつけるところもあるらしい。VISTA本格立ち上がりは年後半と見られているため、夏頃まではDRAM市況の軟化が続く見通しだ。
 そうなると、2007年にDRAM市場は良くても横ばいで、既に調整済みのNANDフラッシュやドライバIC、MPU(超小型演算処理装置)などを含めた半導体市場全体が「0%成長」に落ち込むというシナリオも見えてきた。
アナリストや業界のコンセンサスである「10%成長説」を大きく下回ることは間違いない。

日本メーカーは変わったのか? 東芝、エルピーダの健闘が試金石

 こうした中でのささやかな救いは、日本メーカーが思いのほか健闘していることだ。これまでの日本メーカーならば、市況が悪化するやたちどころに弱気になって設備投資を削った。
その逆を張って強気を押し通す韓国勢にシェアを一気に奪われるという構図だった。
 ところが今回は、「NANDの東芝」「DRAMのエルピーダメモリ」そして「液晶のシャープ」が巨人サムスン電子に3方向から真っ向勝負を挑んでいる。3社ともビジネスモデルを変え、
業績は堅調であり、市況悪化におろおろ、あたふたと動じる様子はない。経営者も腹がすわっているようだ。11年前と同じ「悪夢の始まり」を彷彿させる流れの中にありながら、
日本メーカーがリスクを取る姿勢を見せていることは決定的に違うポイントである。

 ウィンドウズ95発売の後に始まった日の丸半導体の敗退と屈辱の歴史に終止符を打てるかどうか。

競争力を回復し再びグローバルトップを目指せるかどうか。半導体市況の先行きに対する判断が固まってくる今年の春が、天下分け目の正念場となるだろう。

以上れす