◇韓米、「軍の指揮網」めぐり異見
韓米両国軍は、今後も共同のインターネット指揮・統制ネットワークを使うだろうか、それとも国防の自主化のために
独自のネットワークを使うことになるだろうか。
戦時作戦統制権を韓国が単独で行使し、韓米連合司令部を解体することで両国が合意したものの、
現代戦の中核といえる戦術指揮統制システム(C41)の連合司令部の解体後の運用方向については、
両国の構想が食い違っていることが分かった。
そのため、今後この問題が両国間の作戦権の移管における最大の課題として浮上したと、外交安保当局と
韓米連合司令部の関係者が22日、伝えた。
韓国政府のある関係者は、「韓米軍事同盟の見直しの方向を話し合う過程で、これまで構造調整のハードウェアに
当たる連合司令部の解体、戦時作戦権の移管の日程では原則合意したが、ソフトウェアに当たるC41の
運用をめぐっては見解に隔たりがあることが最近確認された」と述べた。
また、別の関係者は「韓国軍は、米軍が構築しておいた世界規模の指揮・統制ネットワークであるGCCSを
米軍と共同で使ってきたが、戦時作戦権の移管後には、韓国軍はGCCSの代わりに、独自構築を進めている
合同指揮・統制システムのKJCCSを使う方針で、米軍にもその旨を非公式ルートで伝えた」と話した。
すなわち、米軍のGCCSとつながるゲートを作り、有事の際には情報交流ができるようにするという説明だ。
この関係者は「独自の指揮・統制体制の構築は、戦時作戦権の移管とともに国防の自主化の柱」と強調する。
しかし、ある関係者は、「米国は連合司令部の解体後にも韓国が米国のC41を共有できるようにする方針であり、
共同防衛の効率性アップのためにはGCCSを引き続き使用するのが望ましいと見ている」と伝えた。
バーウェル・ベル韓米連合司令官がこれまで、「戦時作戦権の移管は3年以内に片付けることができる」と
言っていたのも、ハードウェアに当たる司令部は分離するが、連合戦力の中核ソフトは引き続き共有するため、
同盟のあり方を見直す作業がそれほど難しくなることはない、という判断によるものだったという説明だ。
米国防当局の関係者は、「まだ、両国間でC41の運用に関する具体的な議論はなかったので、これから
重要な課題になるだろうとみている」と述べた。
ある民間の軍事専門家は、「韓米両国が、戦時作戦権の移管という大前提では利害関係が一致したが、
その中身をめぐっては『同床異夢』の状態が続いていたようだ」と話した。
ソース:東亜日報
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2006112410028