きゃぷ画
http://2ch-news.net/up/up29907.jpg 2006.11.23 朝日新聞 ワールドくりっく
「中国人、スーダンで成功 住民の反感買いつつも」 松本仁一(編集委員)
スーダンの首都ハルツームで中華料理店を経営する王永?さん(27)から、店を再開したという連絡があった。王さんの店「王師伝」は7月、客に酒を出して警察の手入れを受け、営業を停止していた。
スーダンはイスラム国家だ。飲食店での酒類の提供は禁じられている。
王さんは警察に「客は国連関係の外国人ばかりだ、イスラム教徒以外なら酒を出してもいいはずだ」と食いさがった。しかし客の中に国連職員を装ったスーダン人がいたことが分かり、抗議は受け入れられなかった。
ビール、ワイン、ウイスキー、ジン、ウオツカ……。倉庫の約200箱の酒が没収された。
男女6人の中国人従業員も全員が逮捕された。王さんが役所を走り回って従業員は5日後に釈放されたが、酒は戻ってこなかった。
王さんは父の王暁さん(54)とともに02年、山東省煙台市からやってきた。
開業資金2万ドルは親族中からかき集めた。
店は水ギョーザが売り物だが、酒が飲めることで人気を集め、外国人相手に繁盛した。
ハルツーム郊外に中国企業が運営する大規模な製油所があり、数千人の中国人労働者が働く。
そこにも料理店を出した。ナイル川の河原に約20アールの農園を借りた。
中国人労働者を雇ってチンゲンサイやクウシンサイ、ニラなどの野菜をつくり、中国人社会で売った。
「おもしろいようにもうかりました。食堂2軒と農園で、月に2万ドルの純益がでました」
スーダンにはかつて中国人はほとんどいなかった。
それが5年ほど前から急増し、今や3万人に上るといわれる。
うち2万人は製油所など中国政府系の石油プロジェクトで働いている。
スーダンは日量50万バレルの石油を生産する。
しかしその富はどこかに消えてしまい、多くの国民は貧困にあえぐ。
内戦の国内難民が首都周辺だけでも180万人いる。失業率は高い。
そこに中国人がどっとやってきた。
彼らはわずかな期間で事業に成功し、大金をもうけ、それを本国に送金する。
現地住民を雇わず、自分たちだけの社会をつくり、イスラム教で禁じられている酒を飲み、豚肉を食べる。
スーダン人はそれをじっと見ている。
王さんは、警察の手入れは密告があったためと推測している。
「住民の反感?……それはよく分かっています」
中国政府は今月初め「中国・アフリカ協力フォーラム」を開き、アフリカ援助や貿易を倍増すると打ち上げた。
しかしその裏には、王さんの事件のような実態がある。
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