ヨロシクです。
11月20日付・編集手帳
15、16世紀の朝鮮王朝を舞台にした韓国ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」の
NHKの放送が18日で終了した。特に終盤の2か月は「冬のソナタ」にも迫る高い視聴率
だったようだ
◆陰謀や派閥抗争などの様々な困難にぶつかりながらも、知恵を絞り、自身の信念を貫いて、
国王の厚い信頼を得た一女性の生涯を描いた作品だった。中高年の男性の反響も大きかったという
◆韓国では、不幸な境遇に対する強い恨みを「恨(ハン)」と呼ぶ。努力して運命を切り開き、
恨を解消することこそが、美徳とされる。「チャングム」は、そうした韓国文化の象徴とも言え
るだろう
◆苦難を乗り越えて成長する女性を描いたドラマと言えば、かつての「おしん」が思い起こされ
る。自らの境遇を受け入れつつ、辛抱を重ねた「おしん」の姿は、チャングムとは重ならない。
「似て非なる」両国の文化なのだろう
◆もっとも、話題の韓国映画「トンマッコルへようこそ」のパク・クァンヒョン監督は、
今村昌平監督の作品や宮崎アニメから影響を受けたと語っている。「冬のソナタ」には、
日本の少女漫画のストーリーとの共通点があり、間接的に影響を受けたとも伝えられる
◆韓国の「恨」の文化と、日本の「もののあわれ」は、簡単に融合しないだろうが、
日韓文化交流の今後の展開が楽しみでもある。
(2006年11月20日1時49分��読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20061119ig15.htm