【理屈はいらない】<台湾>バナナ採れ過ぎ急落「たたき売り」状態に【皆で食え!】
【台北・庄司哲也】台湾でバナナが採れ過ぎ、生産者価格が1キロ当たり49円前後と前年に比べ3分の1近くに下落して「たたき売り」状態となっている。
台湾政府は、栽培農家の苦境を救おうと政府を挙げての消費拡大運動に取り組み始めた。台湾バナナの最大の輸出先である日本にも熱い視線を送っている。
日本の農水省に当たる台湾行政院農業委員会によると、昨年は約88平方キロだった栽培面積が今年は103平方キロに増えた。天候にも恵まれて
台風被害もなく、収量は昨年の約14万8000トンから今年は21万6000トンとなる見通しだ。
このため価格はじりじりと下落。昨年9月には約40台湾ドル(約140円)だった生産者価格が今年9月末時点で約14台湾ドル(約49円)に下がった。
政府機関はバナナの消費拡大に乗り出した。台湾の中央通信によると、国防部(国防省)や法務部(法務省)が大量購入を決定。施茂林法務部長は
「刑務所には約6万3000人の受刑者がおり、半月間で1人5本を食べれば、約31万本を消費できる」と試算。蘇貞昌行政院長(首相)も「台湾を愛し、
バナナを食べよう」と呼び掛けた。
消費拡大には、日本の役割も欠かせない。農業委員会によると今年1月から8月の輸出向けバナナは1万4528トン。うち中国大陸向けが193トンで、
残りはすべて日本に輸出されている。
農業委員会はメディアなどを通じて日本での宣伝活動を強め、日本の消費者に台湾バナナをアピールするという。中国も、台湾の最大野党・国民党と
協議して2000トンの購入を申し出た。台湾野党との連携や農業市場の開放をちらつかせ、陳水扁政権にゆさぶりをかける狙いがある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061025-00000099-mai-int