ロシアのチェチェン紛争問題でプーチン政権の弾圧策を批判してきた著名な女性記者、
アンナ・ポリトコフスカヤさんが7日、モスクワ市内の自宅アパートで射殺体となって見つ
かった。
ポリトコフスカヤ記者は99年から第2次チェチェン紛争を取材し、ロシア連邦軍による住
民虐待の実態を暴く記事を発表した。02年10月のモスクワ劇場占拠事件ではチェチェン
独立派武装勢力の犯人グループとロシア当局の交渉を仲介した。04年9月、北オセチア
学校占拠事件を取材するため搭乗した航空機中で紅茶を飲んだ後に意識不明となり、「毒
殺未遂」に遭ったと訴えた。
警察当局によると、記者の遺体が発見されたアパートのエレベータ−には拳銃1丁と弾丸
4発が残されていた。犯人の具体的な情報は明らかになっていない。
ポリトコフスカヤ記者が所属する独立系ノーバヤ・ガゼタ紙のムラトフ編集長は「彼女が執
筆したチェチェン問題の記事を近く掲載する予定だった。殺害はこの記事と関連している可
能性がある」と語った。ロシアではジャーナリストの殺害事件が90年代から続発している。
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061008k0000m030123000c.html