【米国】NHK:「靖国参拝に批判相次ぐ」、韓国SBS:「日本に好意的な発言も相当数」…米下院聴聞会 [09/15]
734 :
翻訳者:
日中関係
BBC調査が示すように日中間の係争は日韓より深くまた継続するものです。米メディアの焦点は
小泉首相の論争を呼んだ日本の戦死者をまつる靖国神社への参拝でした。ですがそれが原因ではなく
むしろ生み出された症状なのです。日中の係争の本当の理由を理解するには最初に構造的要素に着目
する必要があります。単的に言えば1895年に台頭してきた日本に負けて以来はじめて日中の国力レベルの
拮抗にともなう調整を行わざるをえなくなったのです。戦後一貫して日本の指導者は中華人民共和国に
エンゲージすることにより日本を先頭とする雁行型の経済に収斂すると読みました。何故なら日本がもっとも
進んでいたからです。中国の指導者は対照的に日本は経済に専念し戦略的影響力でのライバルになると考
えませんでした。過去10年において両国は相互に相手に期待するところが間違っている及び相手の行動を
束縛しうるテコ(日本の場合は経済援助、中国の場合は歴史カード)が十分ではないことも実感するようになりました。
結果としてのライバル関係が随所に現れるようになりました。昨年、中国は日本の常任理事国入りを阻止すべく積極的に
動きました。中国はアメリカ主導のイランに関する多国籍会合への日本の参加に反対し北朝鮮に関する6者会議での日本の
役割を最小限に落とすようにしました。中国の潜水艦などが日本の主張する領海に入りました。対抗して日本の自衛隊は台湾
周辺の諸島に海・空の勢力を集め、中国の透明性にかける防衛強化を浮き彫りにするようになりました。
この流動的戦略ゲームの中で歴史問題はとらえられるべきです。小泉首相が最初に靖国神社を訪問した日本の首相では
ありません。実際のところ戦後のほとんどの首相が訪問しました。反中国外交を展開するどころか、中国の台頭を脅威とみなす
勢力と意見の食い違いをおこしながらも、小泉首相は日中の未来に関してきわめて明るい楽観論をのべてきました。彼はまた
日本の歴史的逸脱行為に関しても深い遺憾の意と謝罪を繰り返してきました。1937年に日中戦争が始まったマルコ・ポーロ橋
での2001年の声明などです。
小泉首相が靖国参拝に固執するのは何百万人という戦死者の家族は首相から死への敬意を受けるべきだという彼の個人的
確信に基づいています。ですが小泉にとってより重要なのは日本の過去認識に関して中国の指図を受けないという決意です。
日本が靖国参拝で外交的痛手という対価を払っており世論もその対価が果たしてふさわしいのか分断されており、あるいは
そもそも参拝自体が妥当なのかという議論もあります。ですが、この問題で小泉が国民の人気をえるために愛国的カードを
切っているというのは単純すぎます。
同様に日本は自身の過去を忘れ戦前のように好戦的になっているという考えも全く的外れです。日本は危険な周辺国に
かこまれています。北朝鮮は核兵器を開発しそれらを拡大させています。中国の軍事作戦はどんどん日本に近づいてきて
います。日本の対応は日米同盟を強化しミサイル防衛システムを推進し国連に北朝鮮に対して圧力をかけさせるというもの
でした。予算の制約もありますが日本の軍事支出がGDPの1%以上になったことはありません。攻撃的兵器の開発にも着手
していません。与党自民党の憲法改正案ですら9条1項の戦争の放棄を残しています。確かに日本は現在、過去より愛国的
ですが最も驚くべき日本の現実は過去において極端に抑制してきたことです。アメリカ人はもしカナダが核兵器を開発しアメリカ
市民を拉致したら、あるいはメキシコが軍事予算を年間15%で増加させ続けたらと考えれば、日本の基盤において強固な平和
主義が流れていることがわかります。