中国政府系エコノミスト、為替政策の方向性で意見相違
中国政府系のエコノミスト2人が4日、為替政策についての見解を表明したが、
内容は大幅に異なり、この問題でコンセンサスが整っていない現状が浮き彫りになった。
国家発展改革委員会のマクロ経済研究院のWang Xiaoguang研究員は、上海証券報に寄稿し、
中国は断固人民元の上昇を避けるべきだと主張。「段階的に上昇すれば一層の上昇期待が強まるだけだ」と述べた。
Wang氏は、貿易黒字と海外直接投資を分析したところ、
上半期に増加した中国の外貨準備1222億ドルに占める割合はわずか26.5%で、
残りは元高や不動産市場の上昇を見込んだ投機資金の流入だったと指摘。
「元が過小評価されていることは、近年の中国の外貨準備の増加とはあまり関係がなく、
むしろ元高への期待感が関係している」
と述べた。
その上で、中国は投資を抑制し経済のバランスを取り戻すため、元の上昇ペースを上げるのではなく、
より頻繁な利上げや行政的な独占体制の解消、税及び支出の改革に注力すべきだとした。
一方、政府直属のシンクタンクである国務院発展研究センターのエコノミスト、
Zhang Liqun氏は、中国は経済的不均衡を拡大させているマネーサプライの伸びを抑制するために、
主に為替レートの調整や、貿易政策および対外投資政策を活用するべきとの考えを示した。
同氏は中国証券報に掲載された論評で、中国の金融政策が抱える問題は、
主に国際収支の不均衡に起因していると指摘。
「よって、段階的な為替レートの調整、また貿易および対外投資政策の段階的な調整を行う必要がある」
と述べた。
また、中国経済に影響を与えてしまう恐れがあるため、
政府が政策変更を実施するまでには、おそらく長い時間がかかるだろうとの見方を示した。
さらに、2006年の中国経済成長は、少なくとも10%に達するとの見通しを示した。
ソース:ロイター
http://today.reuters.co.jp/news/articlenews.aspx?type=topNews&storyID=2006-09-04T145807Z_01_NOOTR_RTRJONC_0_JAPAN-227067-1.xml