■告発記事で4億円請求…台湾企業、中国2記者を提訴
【上海=加藤隆則】
強制的な長時間労働を報じた中国有力経済紙「第一財経日報」の記事で名誉を傷つけられた
として、台湾資本の大手電子機器メーカー「鴻富錦精密工業」(広東省深セン)が、同紙記者2人
を相手取り、総額3000万元(約4億3000万円)の損害賠償を求める訴訟を深セン市中級人民
法院(地裁)に起こした。(センは土へんに「川」)
同法院は保全措置として、両記者の資産凍結を命じる異例の処分を出した。28日付の同紙など
が報じた。
同社は、米アップルコンピュータのデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」などを受託
製造。同紙は6月15日付で、「作業員は連続12時間、会話も許されず立ちっぱなしで働かされている」
と過酷な労働環境を告発、同社が「事実に反する」と反論していた。
同社グループの中国本土内の従業員は20万人。中国紙によると、昨年の輸出額は189・7億
ドルにのぼり、深センでは工業生産全体の20%以上を占めている。裁判所による資産凍結には、
こうした圧倒的な経済力が背景にあるとみられる。訴えられた編集者は同紙のホームページで
「企業の権力が強まり、メディアへの法的保護が弱まっている現在、メディアは極めて危険な職業だ」
と語っている。
ソース:(2006年8月30日1時37分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060829i518.htm