【朝鮮日報】 戦争を知らない大統領と国防長官 耐え忍び勝ち取った米韓同盟、それを崩すのに執念深い大統領と国防長官 [08/19]

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1Mimirφ ★
■【コラム】戦争を知らない大統領と国防長官

 韓国とアメリカが同盟関係を結んだのは1954年のことだ。この韓米同盟もすでに
「不惑(40歳)」を過ぎ、「天命」を知る50歳を越えるほど年輪を重ねた。韓米同盟を
土台に、韓国はこれだけの歳月、国を保ち続け、世界の10大経済大国になり、今、
「自主」を口にしている。

 しかし不思議なことに、自主を度々口にしている人ほど、韓米同盟の歴史に無知だ。
彼らは日本の植民地統治から解放された1945年8月15日から、韓国とアメリカが同盟
関係だったと思っている。それもそのはずなのが、50年6月25日未明に北朝鮮が奇襲
攻撃を開始、たった1カ月で韓国南部の洛東江まで押し寄せ、国の運命が風前の灯と
なった時、正面から北朝鮮を食い止めたのが米軍だったからだ。彼らはその時の米軍
を同盟軍と誤解しているのだ。しかし、あの米軍は同盟の義務を守ろうして進軍してきた
同盟軍ではない。アメリカとソ連が世界を二分した東西冷戦体制で、共産主義の拡大を
阻止しようとやって来た軍隊だった。

 大韓民国の草分け的存在の人々が同盟のない国の疲弊を切々と感じたのは1950年
6月25日の韓国戦争(朝鮮戦争)だった。45年8 月15日の解放時、南は紡織工場が数カ所、
靴工場、精米所が産業施設の全てだった。発電所も肥料工場も鉱山もすべて38度線の
北側に集中していた。南北の国力は比べるまでもないほどだった。そのうえ北は、共産
主義宗主国のソ連、7億人もの人口をかかえる中国と陸つながりだ。国連旗を掲げた米軍
主体の連合軍により、戦争の砲火はしばらく止むことはあっても、いつまた北が南下して
くるか分からない状態だった。

 その状況で、大統領・李承晩(イ・スンマン)は、「北朝鮮の再侵略を阻むには、同盟で
アメリカの足をこの地に縛っておくしかない」と思った。しかし、古今の歴史をみると、小さな
国のために大戦争に飛び込もうとする国などないのが常だ。さらに戦争が長期化する中で、
韓国に米軍投入決定を下したトルーマン米大統領の人気は急降下していた。メディアも
「韓国戦争」ではなく「トルーマンの戦争」と呼び、トルーマンを皮肉るほどだった。もっとも、
自分の息子たちがまったく知らない他国で血を流し死んでいくのを望む人々がどこにいる
というのか。

 そのうえ、次のアメリカ大統領アイゼンハワーは第2次世界大戦時にヨーロッパ戦線の
総司令官として塹壕(ざんごう)の中で数多く死体を見た記憶を消し去れないでいた。戦争を
知らない大統領や、戦争に行ったことのない将軍こそ、戦争の前で大口を叩く。だから戦争
を知っているアイゼンハワーはためらったのだ。

 大統領・李承晩が韓米同盟を推進する際にアメリカ駐在韓国大使に送った数百通の電報や、
在韓米国大使を「景武台(大統領府の以前の呼び名)」と呼んで交わした数十件の対話記録は、
極みに達していた大韓民国の切迫した状況を物語っている。アメリカの有識者が、アメリカを
なだめすかして防衛条約締結まで持ち込んだ李承晩に「詐欺師」という侮辱的な表現を付けた
という記録まで残っている。

>>2以降に続く
ソース:朝鮮日報 記事入力 : 2006/08/19 19:10
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/08/19/20060819000027.html
2Mimirφ ★:2006/08/19(土) 19:46:39 ID:???
>>1の続き
 こんな侮辱にも耐え忍び勝ち取ったのが前文と6つの条項からなる「大韓民国とアメリカ
合衆国間の相互防衛条約」だ。200字詰原稿紙7〜8枚分という短めの条約だ。しかし韓国
戦争で数百万人の韓国人が流したまさに血のにじむ文書だ。こうして韓国とアメリカは初めて
同盟を結び、戦争ムードも徐々に鎮まった。これによりなによりも戦争防止が可能になったのだ。

 しかし、韓米相互防衛条約のどこにも、「外部からの武力攻撃があった場合、同盟国の軍隊
を自動的に投入する」という文言はない。「両国憲法上の手続きを踏んで行動すること」と規定
しているだけだ。それを可能にしたのは、戦争が起きた場合に韓米連合司令部体制の中で韓国
とアメリカが共同で戦時作戦統制権を行使するよう合意したことだ。この合意により、敵の攻撃は
韓国とアメリカに対する共同攻撃と見なされ、最新航空機3000機、空母船団5隻、米軍増員軍
66万人が一挙に韓半島(朝鮮半島)に向かうようになっている。この地で、戦争の再発を防いで
きた決定的ブレーキこそ、この合意なのだ。

 だからこそ北朝鮮が強気でこの問題に食ってかかる下心は明白だ。分からないのは大韓民国
大統領と大韓民国国防長官が自主の旗を掲げて北朝鮮よりもさらに執念深くこの城壁を崩そうと
する理由だ。

 これも戦争を知らない大統領と、戦争に行ったことがない元将軍の国防長官だからだろうか。
それとも、「水がどれほど深いかは知っていても、人の心は一寸も知らない」という昔の言葉
どおりなのだろうか。

姜天錫(カン・チョンソク)主筆
ソース:朝鮮日報 記事入力 : 2006/08/19 19:10
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/08/19/20060819000027.html