【香港=吉田健一】中国広東省のすべてのホテルで9月1日、
外国人も含む全宿泊客の身元に関する情報を公安当局に通知することが義務づけられる。
省政府は犯罪者がホテルに隠れるのを防ぐのが目的と説明しているが、ホテル業界からは、
当局に個人情報を把握されることを嫌い、宿泊客が減少する恐れがあると懸念する声が出ている。
香港各紙によると、この措置は、このほど制定された「広東省旅館業治安管理規定」に基づくもの。
すでにいくつかのホテルでは導入されていたが、治安管理徹底のため対象を全ホテルに広げることになった。
規定では、ホテル側は、チェックイン後3時間以内に客の個人情報を公安当局に通知しなければならない。
通知に必要なコンピューター端末を公安当局が無料で提供する。
端末設置を拒んだ場合は旅行業許可証を発行しないほか、
期日までに設置しない施設は5000〜1万元(1元は約14円)の罰金が科せられる。
今回の措置に対し、一般市民の間でも、
公安当局による情報の目的外使用や情報流出を心配する声が出ているという。
(2006年8月18日18時56分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060818i211.htm?from=main2