http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060827k0000m040113000c.html ★グレーゾーン金利:多重債務者の9割以上が「知らない」 〔2006年8月27日 3時00分〕
■利息制限法(年利15〜20%)を超えるグレーゾーン金利による利息は支払う義務がない
ことを、多重債務者の9割以上が知らないことが国民生活センターの調査で分かった。中に
は25年間、消費者金融に1600万円以上を余計に支払った人もいる。金融庁はグレーゾー
ン金利を原則廃止する方針だが、過払いで生活破たんに陥った債務者をどう救済するかが
課題として残る。■国民生活センターが昨年、弁護士事務所などを通じ多重債務者585人
にアンケートを行った結果、90.3%が利息制限法による金利の制限を知らなかった。全体
の7割に300万円以上の債務があり、大半は利息制限法を超えるグレーゾーン金利(上限
金利29.2%)で払い続けていたとみられる。同金利による融資は利用者が自らの意思で
利息を支払い、弁済内容を明記した書面を受け取るなどの条件を満たした場合に限られる
が、実態は消費者金融が求める金利で契約しているケースがほとんどだ。■千葉県の男性
会社員(67)は26年前、経営する運送会社の閉鎖を機に30万円を借りた。1年で完済した
が同じ業者に再三勧誘された。3人の娘の進学費用もかかるため再び融資を受け、5年後
に4社250万円に膨らむ。「絶対に返す」と工場で運搬機を修理する仕事と社員送迎バスの
運転を掛け持ちし、期日前に月10万円を返済したが元金はほとんど減らない。妻が末娘を
自転車に乗せ、化粧品を販売してためた金も返済に回した。03年夏、ヤミ金融に頼り、自
宅まで手放した末、妻が市役所に駆け込んだ。■弁護士が業者と交渉し、利息制限法の上
限を超えて支払った5社1687万円を取り戻した。年内に和解の見通しの1社分を合わせる
と2000万円を超える可能性がある。自己破産を覚悟していた男性は、金がなぜ返ってくる
のか最初は分からなかった。■男性は「金を返し続けるだけの人生って何だったのか。ずっ
と夜明けが怖かった。金を返すことを考えなくてはならないから」と振り返る。昨年暮れ、40
年以上支えてくれた妻も家を出た。【多重債務取材班】
【社会】グレーゾーン金利:多重債務者の9割以上が「知らない」[08/27]
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