【韓国】アルカイダのザルカウィはテロリストだが、安重根・尹奉吉・李奉昌は大義名分があるから『義士』 [06/09]

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1犇@犇φ ★
■テロと義挙

私たちが愛国志士や殉国先烈を呼ぶときは、「安重根(アン・ジュングン)義士」や「李儁(イ・ジュン)烈士」
(訳注1)のように名前の後に「烈士」とか「義士」とかいう称号を付けたりする。しかし烈士と義士が
どう違うのかについてはあまり知られていない。もちろん「烈士」や「義士」は、法で意味を規定して
ある法律用語でもないから、その違いについての明快な有権解釈があるわけでもない。そのため
昨年10月の、国家報勲処に対する国政監査では、烈士と義士の違いを問う資料要請もあった。

「独立運動が成功すれば義士で、失敗すれば烈士だ」という笑い話のような解釈もあるが、概して
成否にかかわらず命を賭けて武力で敵への義挙を決行した人を「義士」と呼ぶ。安重根、尹奉吉
(ユン・ボンギル)(訳注2)、李奉昌(イ・ボンチャン)(訳注3)義士などがそうした例だ。これに対して、直接の
行動よりは自決のような極端な方法で強い抗議の意志を表現した人物を「烈士」と呼ぶ。李儁烈士
や閔泳煥(ミン・ヨンファン)烈士(訳注4)が代表的人物だ。

独立闘士の武力闘争も厳密に見ればテロだが、そうした行動を「義挙」と呼んでその闘士を「義士」
と仰ぐのは、明らかな大義名分があるからだ。作家の李炳注(イ・ビョンジュ)は「そのテロリストのため
の挽歌」という小説で、「テロリストとは結局、怨恨を抱いた人間たちを代表するエリート」と主張した。
そしてまた、真のテロリストは誰でも殺す人ではなく「仇敵を選んで殺す人」と書いた。テロが義挙
になるためにはそれなりの規範を守らなければならないという話だ。

「アルカイダの指導者」ザルカウィが米軍の爆撃で死亡した。彼はアメリカが「最も危険なテロリス
ト」と名指しした人物だが、イラクの反政府勢力にとっては最高指導者・義士として仰がれてきた人
物だ。しかし彼を指導者・義士と位置付けるには、罪のない民間人をあまりにも多く殺した。一昨年
金鮮一(キム・ソニル)さんを拉致して斬首したことに見るように、彼が率いるアルカイダは無差別テロを
通じて、イラク侵攻とは何の関係もない民間人の命までも奪った。アメリカのイラク侵攻も名分が
弱いが、それでもアルカイダ式無差別テロまで「義挙」などと美化してはいけないという考えだ。
(李グァンフン論説顧問)

※訳注1: 李朝末期の法律家・独立運動家。ハーグ密使事件で任を全うできず割腹したとされる。
※訳注2: 1932年、上海の虹口公園で白川義則司令官らを爆殺、処刑される。
※訳注3: 1932年、昭和天皇の馬車に手榴弾を投擲(桜田門事件)、処刑される。
※訳注4: 李朝末期の外交官・政治家。1905年、第二次日韓協約締結に抗議して自決。

▽ソース:京郷新聞/Yahoo!Koreaニュース(韓国語)(2006/06/09 18:31)
http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=200606091831581&code=990201
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?articleid=2006060918315848840&linkid=7&newssetid=1364