http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003013&sid=al6etaelO2po ★パチンコホール、証券化で大型資金を調達へ−再編見据えた新財務戦略 〔2006/07/12 10:10〕
■7月12日(ブルームバーグ):顧客数減少が止まらないパチンコホール業界で、新たな財務
戦略を採用する動きが広がっている。「事業証券化」と呼ばれる最新の金融技術を使い、パ
チンコ台の入れ替えや店舗網拡大に必要な大型資金を調達、シェアを伸ばそうとするホール
運営業者が出てきた。業界再編が進む国内最大のレジャー産業で、こうした戦略が優勝劣
敗を加速させる可能性がある。 ■事業証券化とは、ある事業から得られる将来収益を担保
に債券を発行して、投資家から資金を調達するもの。住宅ローンや自動車ローンなどキャッ
シュフローが予測可能な資産の証券化に比べて、より高度な技術が必要だとされる。業界の
総売上が約30兆円といわれるパチンコ業界に、この金融技術を応用すれば、ホール運営業
者は数百億円単位の資金を一括調達できる。 ■業界3位のガイア(東京・中央区)は2005年
12月、この証券化手法により 700億円を調達した。パチンコホール事業の証券化はさらに続
くとみられ、米証券最大手メリルリンチや、ローン証券化プログラムを複数保有する新生銀行
などが、最大1600億円の資産担保証券(ABS)を年内にも販売する見通しだ。 ■「将来キャ
ッシュフローの証券化は、メリルリンチの強みでもあり、この分野における足がかりを日本で
もつくっていきたい」と、メリルリンチ日本証券・三原淳一郎マネージングディレクターは言う。
現在、パチンコホール事業の証券化商品組成に向けて準備中の同社は、グローバルに蓄積
した専門性を活用できる分野として、このビジネスに注力する方針だ。 ■新生銀は05年12月、
業界7位のダイエー(福島県会津若松市)に対し、総額230億円の資金供給を実施した。同様
のローンを複数束ねて証券化することで、総額500億−1000億円の資産担保証券を投資家
に販売することを計画している。
★市場が伸び悩むなか業界再編 ■1995年に30兆円に達したパチンコ市場の規模は、伸び
悩みが続いており、 05年には10年前と比べて4.6%減の29兆4860億円となった(社会経済生
産性本部・レジャー白書2005)。参加人口は10年前の2900万人から1790万人と、 38%の大
幅減。レジャーが多様化しているため、パチンコ市場全体は伸び悩んでいる。こうしたなか、
大手ホール運営業者は順調に業績を伸ばす一方で、経営破綻に追い込まれる中小業者も
後を絶たない。 ■業界最大手、京都市に本社を置くマルハンは、06年3月期に売上高1兆
6000億円を達成し、今後2年でこれを2兆円へと拡大させる計画だ(同社ウェブサイト・中期3
カ年計画)。ダイナム(東京・荒川区)も06年3月期に売上げを1兆1832億円に拡大した。
■全国のパチンコホール店舗は05年末に、前年比3%減の1万5165店となり、 10年連続で
減少した(全日本遊技事業共同組合連合会ウェブサイトより)。一方、1店舗あたりの遊技台
数は、10年前の260台から323台へ増加しており、店舗の大型化が進んでいることが分かる。
全体の店舗数が減少するなか、業界3位のガイアは05年、53の新規店舗を出店している。
★「陣取り合戦がまさに佳境」 ■業界全体では、娯楽関連の破たんが目立った02年頃に比
べ、倒産件数は落ち着いているが、競争激化による淘汰はいまだ続いている。ホール8店舗
を運営していた大阪物産は05年11月、負債68億円を抱えて特別清算手続を開始。千葉県の
ホール運営スペース・バリューも6月、負債約40億円を抱えて再建手続きに入った(いずれも
帝国データバンク)。 ■パチンコ業界では「陣取り合戦がまさに佳境」(新生銀・キャピタルマ
ーケッツ部・増田一郎部長)に入っており、大手チェーンは、パチンコ利用者の人気を勝ち取
る店舗を相次いで建てながら、シェアの拡大を狙っている。新規店舗をスタートするには、用
地確保やシステム整備などに数億円、郊外型の大型店舗の場合は20億円程度を要するた
め、大型資金のニーズが高まっている。 ■証券化をいち早く実行したガイアでは、数年後に
「ごく一部の運営業者が大半のシェアを握るようになるとみており、それに先駆けた資金調達
の意義は大きいと考え、証券化を実行した」(澤田賢二・財務経理部長)。また、従来は短期
の銀行借入金に依存していた同社にとって、投資家から長期資金を調達したことで、財務の
安定化にもつながったと指摘した。 (続く)
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★証券化市場 ■新規発行が05年、前年比7割増の8兆6000億円(ドイツ証券調べ)へ急拡
大した日本の証券化市場では、住宅ローンや商業用不動産関連の証券化取引が増加して
おり、投資家層の裾野も広がっている。 ■ホール運営業者の間で注目される証券化だが、
米国に比べて日本市場の成熟度は低いとされており、パチンコホール事業を担保とするAB
Sの販売が、容易でないという指摘もある。「将来キャッシュフローを担保にした証券化は、倒
産隔離などの仕組みづくりが簡単でないうえ、他のABSのような幅広い投資家層があるわけ
でもない」(メリルリンチの林義直ディレクター)。 ■パチンコ業界は「反社会的組織との不透
明な取引および脱税事件が指摘されていたことなどから、社会的認知度の向上が遅れてい
た」(S&P2月23日リポート)だけに、機関投資家の腰が重いという事情もある。 ■パチンコ
の景品を現金に交換するシステムに明確な法解釈がないことも、投資家にとってはリスク要
因だ。換金問題を含め、「パチンコ産業が抱える構造的な問題は、国民のパチンコ離れを加
速させる可能性がある」(BRICs経済研究所の門倉貴史代表)という指摘もある。 ■ガイア
の証券化取引をアレンジしたドイツ証券の西田尚弘・証券化商品部長は、同商品を10以上
の国内機関投資家に販売したと語った。ガイア案件をアレンジしたことで、同社にはパチンコ
ホール業界からの問い合わせが10件程度、相次ぎ、今後は同様の事業証券化取引を他の
業種も含めてアレンジしたいという。 ■東京 安 真理子
【社会】顧客数減少が止まらないパチンコホール業界、証券化で大型資金を調達へ 再編見据えた新財務戦略
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1152680842/ 【経済】 客が減る一方のパチンコホール業界、証券化で大型資金調達へ★2
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1152697613/l50 >>234-235