対北事業を食い物にするソノコ社の実態
開城工業団地(開城工団)第1号製品の「開城鍋」を生産している
(株)ソノコキュイジーヌウェア(会長キム・ソクチョル、以下ソノコ社)が
開城工団入居の名目で投資者から巨額の資金を受け取っていたことが明らかになり
波紋を読んでいる。統一部などの関連当局も真相究明に乗り出した。
特に同社のキム会長は政官界の人物と親しいことを強調して開城工団入居を約束、
投資者を自社の社員と偽り開城工団に出入りさせるなど、対北関連事業の盲点を
突いていたことが6日、確認された。
◆開城工団入居を名目に10億ウォン受け取る
ソノコ社のキム会長は去年から「開城工団に入居させてやる」「工団内の食堂・
公共浴場・売店の営業権を与える」などといって中小企業や投資者から最近までに
十数億ウォン(10億円で約1億2,000万円)を受け取っていたことが分かった。
ある投資者は「去年10月、キム会長が“現代峨山などに特別に話して開城工団で
食堂が経営できるようにしてやる”といわれて契約書を作成、(キム会長が)要求した
1億7,000万ウォン(約2,000万円)のうち7,000万ウォン(約830万円)を渡した」と話す。
また別の複数の人物も店やビリヤード場の営業権を受け取る約束で同社に
計5,000万ウォン(約600万円)を渡したとのことだ。
彼らは本来、開城工団事業のため政府当局の厳格な手続きを経て
許可を得なければならなかったが、キム会長の言葉を信じて資金を渡したという。
ソノコ社は今年2月、入居を約束しておきながら実現しなかった一部投資者からの
抗議を受けている。
ある投資者は「キム会長は“南北経済協力資金が7月に出るから待ってほしい”と
言った」と訴える。
しかし、韓国輸出入銀行はソノコ社に対し融資計画はない、と明言している。
◆ずさんな越境管理とロビー疑惑
ソノコ社は今年2月など数回に渡り投資者を連れて開城工団を訪れた。
しかし同社は、北朝鮮訪問証明書などを受け取り北の軍事境界線を越える際、
投資者を同社の「部長」「取締役」と偽り越境していた。
特に投資者・ソノコ社前社員は「キム会長は現政権の実力者や現代峨山関係者と
親しいといっていた」と話しており、キム会長を支える実力者がいたのではないかとの
疑問が取りざたされている。
開城工団入居企業の関係者は「被害者が増える前に対策を講じなければならない」と話す。
◆ソノコ社キム・ソクチョル会長とは?
2004年12月15日の開城工団第1工場竣工式とともに「開城鍋」を発売した
(株)ソノコキュイジーヌウェア(当時リビングアート)会長のキム・ソクチョル氏(59)は、
その後メディアのインタビューによく登場し、南北経済協力のシンボル的存在となっている。
一時、キム氏が勤めていたリビングアートに提出した履歴書によると、1967年
京畿高を卒業、1969年ソウル大文理学部を中退したとなっているが、
ソウル大ではキム氏が入学した事実はないことを明らかにした。
リビングアートは「京畿高に問い合わせたが、キム氏は京畿高似通ったことがないという
回答が来た」と述べている。
周辺の人々は「“政界の実力者や現代峨山関係者と親しい”という言葉は
キム氏の口から何回も聞いた」と証言する。
関連図
http://japanese.chosun.com/site/data/img_dir/2006/06/08/200606080000041insert_1.jpg 朝鮮日報 2006/06/08 06:37
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/06/08/20060608000004.html