上海郊外の浙江省嘉善県からの帰り、久しぶりに日本で言う「二等車」に乗った。
中国の列車には「軟座」と「硬座」があり、文字通りいすの軟らかさが違う。
もちろん快適な分、値段も乗客層も違うわけだが。
二等車にあたる「硬座」で車窓の眺めを楽しんでいると、途中の駅から、
出稼ぎ労働者とみられる一群が乗り込んできた。
のんびりとした車内の空気は一気に消し飛んだ。
大声で話し、たんをひっきりなしに床や窓の外にはく。
そのうち彼らは袋から手羽先を出して食べ始め、残った骨やゴミは窓から外に放り投げた。
この程度は日常よく見る光景だが、手や口についた油をカーテンでふき始めたのには驚いた。
悪びれた様子は全くない。「良俗に反している」との意識は皆無なのだろう。
この国の経済発展は目覚ましいが、“先”はまだ長い。
ソース(東京新聞):
http://www.tokyo-np.co.jp/00/wtown/20060603/ftu_____wtown___001.shtml