【朝日新聞社説】ポルポトにアジア的やさしさはありません[06/01]
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<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:
1975年4月19日 朝日新聞夕刊紙面より
■粛正の危険は薄い? カンボジア解放側 アジア的優しさ持つ
カンボジアの解放勢力のブノンペン制圧は、武力解放の割には流血の惨がほとんどみられなかった。
入場する解放軍兵士とロン・ノル政府軍兵士は手を取り合って抱擁。政府権力の委譲も、平穏のうちに
行われたようだ。しかも、解放勢力の指導者がブノンペンの”裏切り者”たちに対し、「身の安全のために、
早く逃げろ」と繰り返し忠告した。これを裏返せば「君たちが残っていると、我々は逮捕、ひいては処刑も
考慮しなければならない。それよりも目の前から消えてくれた方がいい」という意味であり、敵を遇すると
いううえで、きわめてアジア的な優しさにあふれているようにみえる。解放勢力指導者のこうした態度と
カンボジア人が天性持っている楽天性を考えると、新生カンボジアは、いわば「明るい社会主義国」として、
人々の期待にこたえるかもしれない。
政治闘争は最終的には「敵を倒す」ことである。それはしばしば憎悪に裏打ちされて、暗殺につながって
いた。西洋の革命は常に血と結びついており、余裕を持って敵を逃がした例はあまり見あたらない。
カンボジアは内戦中も、秘密警察的な暗さがなかった。ロン・ノル政府側の要人も、警備にはさして関心を
払っていなかった。政府主催の公式レセプションでも検閲所はなく、招待状なしでも要人にやすやすと
近づくことができた。これでよく事件が起きないものだ(以下略