WSJ-マイクロソフトのホットメール、中国でサービスが一部混乱
北京(ウォール・ストリート・ジャーナル)米マイクロソフトのウェブメール
サービス「ホットメール」が今月初めごろから中国の一部で混乱している。
原因は不明だが、中国のネットユーザーが直面する不透明性が浮き彫りとなった。
問題はゴールデンウィークの休暇が始まった5月1日前後に発生。北京など
中国各都市のユーザーから、ホットメールのログインページへのアクセスが
不能になっているとの報告があった。一方、不具合が報告されている都市でも
混乱を経験していないユーザーがいる。一部のユーザーは、ここ数日間でアクセスが
回復した、としている。
マイクロソフト中国部門の広報担当者は再三のコメント要請にも応じていない。
一部ユーザーは、同社の技術サポートセンターからホットメールのサーバーに関する
「一時的な技術上の問題」が「少数の利用者」に影響を与えた、とする回答を
得た、と中国語サイトに電子メールを通じて投稿した。
中国語サイトのチャットでは、政府が問題の背後にある可能性もある、とする観測が
浮上している。実際、中国政府は検閲で好ましくないと判断したコンテンツを盛り込む
多くのウェブサイトへのアクセスを阻止している。
ただ、同政府によるホットメールへのアクセス阻止の事実は明らかになっていない。
中国のネット人口は1億1100万人強と、米国に次ぎ世界2位。ホットメールのように
ウェブブラウザーだけで利用できるウェブメールサービスは、長く利用されている。他の
ウェブメールが混乱していないこと、ホットメール利用者のすべてが不具合を経験している
わけではないことを勘案すると、今回の問題の背後には政府以外の要因がある可能性もある。
ただ、中国政府のインターネット検閲にかかわる秘匿性によって、サイト混乱の原因の
特定が困難、あるいは不可能となっている。政府はどのサイトへのアクセスを阻止したか
公表しないため、サイト運営企業もユーザーからクレームが寄せられて始めてその事実を
認識するのが一般的だ。
ソース:ダウ・ジョーンズ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060515-00000016-dwj-biz