【サッカー】非情なアドフォカート監督　「彼らは実力を見せなければならない」…朝鮮日報コラム[5/13]

1 ：黒雲φ ★：2006/05/13(土) 12:20:54 ID:??? BE:215744639-

ディック・アドフォカート監督はこれまで私たちの目にユーモラスな人物として映っていた。
彼は記者団とともに北漢山に登って汗を流しながらも
「記者のみなさんに記事のネタを提供しようと思ってわざと登るのが辛そうなふりをした」
とみんなを笑わせた。去年、サムスン・ライオンズが野球で優勝した時
「選手が必要なら私を呼んで」とジョークを飛ばした。
ヒディンク前監督は記者たちとの‘全面対決’も辞さなかったとすれば、
アドフォカート監督は非常に穏やかでウィットあふれる人のように思える。
数字を引用したイライラ誘発作戦もよかった。「代表メンバー選出は99%完成し、あとは1%を残すのみ」と
‘マジック・ナンバー’を出した時、私たち記者は難しい宿題を出された小学生のようにウンウンうなったが、
少なくとも興味深い宿題だということでは意見が一致した。

それならば「ウィットに富み、ユーモアがあるソフトなリーダー」、これがアドフォカート監督の本当の姿だろうか？
最終代表メンバー発表後の記者会見で一瞬、彼の非情な側面をうかがうことができた。
アドフォカート監督は「代表メンバーから外れて失望している選手へのメッセージは？」との質問に
「私はどうして彼らが失望するのか理解できない」と冷たい言葉を口にした。
彼の表情には脱落者たちに対する憐みや口惜しさなどはなかった。
監督は「彼らは実力を見せなければならない。それがサッカーであり、人生だ」とだけ述べた。
この言葉は通訳を経て「選ばれなかった選手は非常に失望しているだろうが、
それがサッカーであり人生だ」というやわらかな表現に変えられた。

イラスト：http://japanese.chosun.com/site/data/img_dir/2006/05/13/200605130000081insert_1.jpg

アドフォカート監督のこの一言を聞きながら、あらためて彼が商人の国・オランダ出身で、
オランダ代表チームでもセードルフ、クライファート、ダービッツのようなスタープレーヤーたちを
容赦なく鍛え上げた非情な男だということを思い知った。
アドフォカート監督は競争論理に異議を唱えるなという意思を韓国選手たちにハッキリ宣言したのだ。
これまで代表チームを経験した選手たちが「アドフォカートはいつでも自分を切り捨てる人という気がする」
「ヒディンクよりも恐い」といった理由こそ、まさにこれではないだろうか？
アドフォカート監督は席を立つ時、もう一言、投げかけた。
「他の選手が自分の勝ち取った座を虎視眈々と狙っていることを忘れるな」と。

今や23人のワールドカップ代表メンバーが確定した。
これまで夜も眠れないほど悩んだ選手たちだが、今は安堵のため息をつきながら
枕を高くして寝られるのかもしれない。しかし本当に安心できるのだろうか？
代表メンバー選出よりも熾烈なドイツワールドカップのベスト・イレブン入りを目指す争いは
今始まったばかりで、監督は血も涙もなく‘情け容赦ないムチ’を手に握っている、という気がした。

朝鮮日報