【歴史】「韓国、中国なしに日本の歴史はない」 日本の”良心”大阪大学名誉教授・子安宣邦氏が訪韓〔05/10〕

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1そごうφ ★
日本の「生きている良心」と呼ばれる子安宣邦大阪大学名誉教授(73)が韓国を訪問する。
韓国学中央研究院(以下韓中研、院長ユン・ドクホン)が招待した。韓中研が15〜18日に主催する
「2006碩学招請講座」で4番目に公開講演をする。韓日関係史を含む東アジアの歴史の流れを新たに省察する機会となりそうだ。

◆靖国参拝は暴力的歴史の書き換え=子安教授はミッシェル・フーコーと
ジャック・テリダらの脱近代主義(ポストモダニズム)の影響を多く受けた。
脱近代論は国家中心主義を批判する。子安教授は日本近代政治史思想史を脱近代の観点から新たにスポットを当てた。

あらかじめ配布した原稿で教授は小泉首相の靖国神社参拝はもちろん、独島(トクト、日本名竹島)問題と
日本の教科書歪曲まであまねく強く批判している。靖国、独島歴史教科書問題を貫く共通点は「日本のアイデンティティ作り」としている。
教授は日本固有の独自性はないと見る。独自性に隠されたイデオロギー的暴力性を暴露し、関係性と混合性を強調する。
古代から今日まで韓国、中国との関係をはずして日本だけの歴史を考えることはできないというのだ。

歴史を「一国史」で作ろうとする政治的意図とその底辺に流れる日本民族主義(ナショナリズム)を教授は批判する。
今日の「日本民族」というアイデンティティもここ100年間の近代化過程に作られた現象だと言う。
教授は「靖国問題はアジアの戦争という歴史を戦争遂行国である日本の立場で不当に一国化するもの」とし
「これは歴史の本質的な歪曲で暴力的、反倫理的歴史の書き換えだ」と批判した。

◆「韓と漢」痕跡消した日本近代=子安教授流の話は日本主流学界では聞きにくい。
教授は「『韓』の痕跡を日本地理上だけでなく歴史上でも日本列島のあちこちで見つけることができる」と言う。
「韓」とは韓半島を通じて伝わった先進文物を示す。
教授の見方では近代日本の成立過程は「古代から伝わった『韓』の痕跡を消す過程」だった。
日本は「漢(中国文物)」の痕跡もとり除いた。近代日本が漢字文化を否定した場合を例にあげた。
西洋文物を翻訳する過程で日本式の漢字造語を大挙作り出したことに対して
「『固有の日本語』にとらわれすぎた近代民族主義の所産」と分析した。

子安教授は特に西洋式近代文化が入る直前の江戸時代の2人の人物に注目する。
「韓」の痕跡を強調した藤原貞幹(1732〜97)と「韓」の痕跡を消しながら
日本固有の起源を作るのに力を注いだ本居宣長(1739〜1802)だ。
藤原貞幹は古代日本の制度、儀礼、祭事、文字、衣服などの文化が「韓」と「漢」文化に維持していると考えている。
こうした藤原貞幹の学説を本居宣長は「狂人の言葉」と捐下した。
本居宣長は日本のアイデンティティを確立した国学者で20世紀前半軍国主義者たちによって高く評価を受けた。

◆「帝国日本」精神は21世紀にも続いている=日本学界はだいたい1945年を基点に
日本が戦争に対する反省を通じて軍国主義と断絶したと見る。
しかし子安教授の視角は否定的だ。「帝国日本」の精神が21世紀にまで続いているというのだ。
靖国神社参拝と独島問題のように東アジアの対立を誘発する事態がそのまま生ずるのではなく、
戦争の原因を近代思想の深淵からより根源的に暴くことができなかった点を反省しなければならないという主張だ。

教授は「歴史共有体としての東アジア」を構想する。韓国、中国、日本の地域協力より先行させるのは「3国市民間の歴史共有」と言った。
そのためには何より靖国に祭られた英霊の背後にアジア各国で罪なく死んだ多くの人民たちがいることを見なければならないと話している。

講演日程
◆15日(場所:韓中研)「日本ナショナリズムの批判的読解」
◆16日(場所:韓中研)「東アジアと漢字」
◆17日(場所:ソウル成均館大600周年記念館)「韓日関係の歴史と現在」
◆18日(韓中研)「東アジア共同体作り」

ペ・ヨンデ記者 2006.05.10 12:04:37 中央日報
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=75564&servcode=400§code=400