【拉致問題】横田めぐみさんと別人の「遺骨」 北朝鮮が返還再要求【4/4】

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436(´・ω【ゲンダイネット】ω・`)さん
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★【天木直人 ニッポン外交の迷走】 〔2006年5月15日〕
★小泉首相の不誠実を突く横田早紀江さん

■小泉首相は終生この女性に頭が上がらないだろう。■4月30日の午後、私は成田の到着ロ
ビーで偶然にもワシントンから帰国した横田早紀江さんを見つけた。こぼれるばかりの柔和な笑
顔をたたえて通り過ぎる早紀江さんを見ながら、私は軽薄で非情な小泉首相のうすら笑いを思
い浮かべていた。虚勢を張ってみても小泉首相はこの女性の前にはひざまずくほかはない。
■その最大の理由は、もちろん拉致問題に対する小泉首相の不正義にある。功名心という不
純な動機によってみせかけの日朝国交正常化を成し遂げようとした小泉首相は、その一方で拉
致被害者の命を軽視し、拉致家族の心をもてあそび続けた。その小泉首相はいま北朝鮮の暴
挙の前になすすべもなく立ちすくんでいる。■すべての原因は02年9月17日の電撃訪朝の時、
拉致を認めさせることと引き換えに巨額の援助を与える裏取引を行ったことにある。誰が生還す
るか、どれだけの人数が救出されるかなどということは、国交正常化の偉業の前ではたいした
話ではないといわんばかりであった。ところが国民感情はそれを認めなかった。世論の圧力に
押されて金正日との裏約束を破らざるを得なくなった。この時点で小泉首相のもくろんだ拉致問
題の解決は頓挫した。もはや小泉首相にとって拉致問題は邪魔な問題でさえあるのだ。■そん
な小泉首相の不誠実を早紀江さんは見逃しはしない。早紀江さんは決して小泉首相を声高に
批判はしない。しかし残りの人生のすべてをかけて娘を救い出そうとする母親の真心は、無言
の抗議となって小泉首相をすくませている。■その早紀江さんが外交においても小泉首相を圧
倒した。「工作船の暗い船底の壁をかきむしって『お母さん、助けて』と絶叫した娘をなぜいまだ
に助けられないのか、悔しくて、悲しくてたまりません……」。米国議会で毅然として語った早紀
江さんは、並み居る議員の心を揺さぶった。これほどの説得力ある言葉を小泉首相は5年のう
ちで一度たりとも発したことがあったか。拉致現場を視察したシーファー駐日大使は「私が聞い
た話でもっとも悲しい話だ」と漏らし、朋友ブッシュ大統領との面会実現に尽力した。早紀江さん
の誠意はブッシュ大統領の心を動かし、「人権問題の訴えに耳を貸せないほど私は忙しくはな
い」とまで言わしめた。別れ際には「マム(奥さん)……」と言って両手で早紀江さんを抱きしめた
という。なんと見事な首脳外交であろうか。小泉首相が到底勝てる相手ではない。
▼天木直人(あまき・なおと) 元レバノン大使。1947年生まれ、京大法学部中退で外務省入
省。イラク戦争に反対する公電を送り、小泉首相の対米追従外交を批判して「勇退」を迫られる。
著書に「さらば外務省!」「ウラ読みニッポン」(講談社)など。

【拉致問題】小泉首相の不誠実を突く横田早紀江さん
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