【拉致問題】横田めぐみさんと別人の「遺骨」 北朝鮮が返還再要求【4/4】

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★国家安全保障を考える(第22回)[古森義久氏]/SAFETY JAPAN [コラム]/日経BP社 〔5月12日〕
★第22回 北朝鮮への対決姿勢強める米ブッシュ政権 〜拉致被害者家族への歓待が示すもの〜

★大きな衝撃をもたらした拉致被害者家族の訪米

■北朝鮮に拉致された日本国民の家族の代表がアメリカの首都ワシントンを訪れ、愛する肉親
の悲劇を伝えるというアピールは、ブッシュ大統領をはじめとして、アメリカの各界に大きな衝撃
を与えた。人間レベルでの共感と理解だともいえよう。だが同時に、その訴えに力強く対応した
ブッシュ政権の態度には、北朝鮮に対する従来とは異なる政策の変化がうかがわれた。北朝
鮮の核兵器開発を阻むために、中国やロシアまでをも巻き込み、国際的な外交交渉で冷徹な
構えをみせてきたアメリカ政府が、金正日政権に対する直接の険しい対決姿勢へと傾いたよう
なのである。■しかも、ブッシュ大統領と横田めぐみさんの母の早紀江さんらの面談には、北朝
鮮だけでなく中国や韓国に対する批判的なメッセージまでがあらわだった。民主主義や人権の
抑圧に対する中国や韓国の政府の姿勢に不満があることを、ブッシュ大統領は間接的ながら、
明確に示したといえるのだ。横田早紀江さんらの訪米の人間ドラマの背後に浮かぶアメリカ政
府の政策転換の兆しを報告しよう。

★5年前と様変わりした日本政府の態度

■話は少し横にそれるが、拉致被害者の家族たちのワシントン訪問というと、私には独特の思
い入れがある。「家族会」の人たちの組織としての訪米は実は今回が3回目だった。今回こそ大
統領との面談も実現して、はなばなしいハイライトをあび、大きな成果をあげたが、第一回目の
2001年3月の訪問はまったく地味で、苦渋にさえ満ちた旅だった。■そのころ北朝鮮は拉致自
体をすべて否定し、日本国内でも関心は低かった。外務省は「北朝鮮当局による拉致」に背を
向けていた。当時の外務省アジア局長の槙田邦彦氏(現駐エジプト大使)にいたっては「たった
10人のことで日朝国交正常化交渉が止まってよいのか。拉致にこだわり国交正常化がうまくい
かないのは国益に反する」と述べて、拉致の被害者を切り捨てていた。■マスコミの多くも北朝
鮮による日本国民の拉致が明白なのに、無視だった。それどころか、北朝鮮の犯行を非難する
側を逆に「北朝鮮への挑発」などと非難するほどだった。2002年9月17日に金正日総書記が犯
行を認めるまでは、そんなふうだったのである。■日本国内の反応がそのように冷たい時期の
2001年3月の家族会のワシントン初訪問は意外な成果をあげた。その訪米の2ヵ月前に登場し
たブッシュ政権は北朝鮮を「悪の枢軸」と呼び、金政権の人権弾圧を非難した。そのせいなのだ
ろう。国務省や連邦議会の当局者たちは横田めぐみさんの両親の滋、早紀江夫妻や蓮池薫さ
んの両親の秀量、ハツイ夫妻らと会って、拉致に関して北朝鮮をはっきりと糾弾した。アメリカ政
府のほうが日本政府よりも協力的、同情的な反応をみせたのである。このことは家族会にとっ
て、はかり知れない励ましとなった。■ワシントン在勤がすでに長かった私は、家族会を支援す
る人たちから事前に要請を受けて、一行がワシントンでだれに会えばよいかなどについて助言し
ていた。一行の現地での最後の夜、食事に招かれ、初の訪米の成果を総括する話し合いにも
加わった。いまから5年前の、3月とはいえ、凍りつくように寒い夜だった。十数人の一行はそれ
なりにアメリカ側からの激励を受けたとはいえ、肝心の日本側は動かず、翌日の帰国を目前にし
た食事の場でも前途の苦労を思ってか、表情は暗かった。みな口数も少なく、沈んだ感じだった。

★米国の高官が次々に支援を約束

■しかし5年後のこの4月24日から29日までの家族会のワシントン訪問は大成功と呼べる結果
となった。ワシントン中心部のナショナルプレス・ビルで総括の記者会見にのぞんだ横田早紀江
さん、息子の拓也氏、飯塚繁雄氏(拉致された田口八重子さんの兄)、市川健一氏(同じく市川
修一氏の兄)、増元照明氏(同じく増元るみ子さんの弟)ら家族会のメンバーの表情にも、希望
がうかがわれた。■( つづく )
357(´・ω【日経BP社】ω・`)さん:2006/05/13(土) 06:42:21 ID:SlwQXlxe

>>356 ( つづき )■訪米団長の飯塚氏が力をこめて語った。■「私の妹の八重子は22歳で赤
子を置き去りにしたまま北朝鮮に拉致され、その子供が成人したいまもなお帰ってこないが、今
回のワシントン訪問ではアメリカ政府の予想しなかった高官たちが北朝鮮の人権蹂躙に対して、
日本のわれわれとともに戦うという気構えをみせてくれました。国防総省のイングランド副長官
など、『自分自身の子供や孫がもしそうなったら、という意識でこの問題に対処したい』と言ってく
れました」■確かにアメリカ側の対応は予想外に積極的だった。国防総省では外国訪問中のラ
ムズフェルド長官にかわってナンバー2のイングランド副長官が面会に応じ、最大限の激励と同
情の言葉で飯塚氏や早紀江さんらに支援を表明したのだった。それ以上にホワイトハウスでの
ブッシュ大統領の面会は予想外だった。早紀江さんと拓也さんが駐米日本大使の加藤良三氏
とともに招かれ、40分ほども大統領と異例の面談をしたのである。早紀江さんらの報告によると、
ブッシュ大統領は彼女の肩を抱き、手を握りしめて、娘を拉致されたままの悲劇への同情を述
べたのだという。大統領は次のようなことをも語ったという。 4月28日のことだった。■「(めぐみ
さんの北朝鮮での写真をみて)悲しそうな顔をしていますね。彼女がいまここにいっしょにいるつ
もりで写真を撮影しましょう」■「国家の指導者が少女の誘拐を奨励することはアメリカ人にとっ
ては想像を越えています」■「愛する家族を引き離してしまうとは、非情な、心のない国家です。
人間の尊厳と自由を奪う国家の犯罪です」■「拉致という憎むべき犯罪に対し、ともに手をとりあ
って、戦っていきましょう」■この面談にはホワイトハウス高官の多数が同席し、そのなかのクラ
ウチ国家安全保障担当補佐官は「北朝鮮の核兵器製造を阻止するための6カ国協議でも、この
拉致問題の解決を忘れるようなことはしない」と公約したという。■4月27日のアメリカ連邦議会
下院国際関係委員会の公聴会での早紀江さんの証言も米側へのインパクトは大きかった。
■「めぐみが中学校からの下校途中に行方不明となってから、どうしていなくなったのかわから
ない長い長い20年間の苦悩の日々を過ごしてまいりました」■「北朝鮮にいるとわかってから今
日までさらに9年以上が過ぎたのに、まだ救出できないままです。なぜ助けられないのか、くや
しくて、悲しくてたまりません」■「あまりにも数々のウソ、偽りをいい続けながら、開き直っている
北朝鮮に憤りを覚えます。罪なく、このような理不尽な国家テロの犠牲になった、今も長期にわ
たり監禁され、助けを求めている世界の12カ国に及ぶ多くの被害者を助け出さねばなりません」
■「なにとぞアメリカ議会、政府、国民のみなさまのお力添えをお願いいたします」■早紀江さん
のこうした切々たる言葉はアメリカ人の女性通訳によって的確に訳され、公聴会場にひびきわた
った。満場は水をうったように静粛となり、委員会側の議員たちの間には涙をぬぐう人の姿もあ
った。証言後は多数の議員たちが早紀江さんに寄ってきて、なぐさめの言葉を述べていた。早
紀江さんが持つ独特のまっすぐで真摯な人間性が娘を長年、奪われたままの悲しみとともに、
議員たちに素直に伝わったという感じだった。

★背後にあるのは北朝鮮への直接対決姿勢

■しかしブッシュ政権はこの時点でなぜこれほどまでに熱心に日本の拉致問題への支援と連
帯を表明したのだろう。■もちろんブッシュ大統領以下、この政権にしっかりと根づく対日同盟の
重視という要因も大きいだろう。ブッシュ大統領が小泉純一郎首相に対して抱く個人レベルでの
親近感も明らかに要因である。さらに同大統領が対外政策の根幹とする民主主義や人権の尊
重という価値観も、拉致糾弾の当然の基盤だといえる。■だがそれ以上に、ブッシュ大統領自
身が金正日総書記に対して発した警告の厳しさは、アメリカ政府の北朝鮮への基本姿勢の硬
化を明示していた。早紀江さんらと会った直後にブッシュ大統領は次のような声明を出していた
のだ。■「私は大統領に就任して以来、もっとも胸に迫る会合をたったいま終えた。娘との再会
を切望する母、姉との再会を切望する弟と会ったのだ。北朝鮮政府が十代の少女を拉致したた
めに彼らは離れ離れとなっている」■「この母親に起きたことは北朝鮮政府の行動の結果なの
だ。北朝鮮がこの世界で少しでも尊敬されたいと望むなら、人間の権利と威厳を尊重し、この母
親にわが娘をもう一度、抱擁することを許さねばならない」■( つづく )
358(´・ω【日経BP社】ω・`)さん:2006/05/13(土) 06:44:01 ID:SlwQXlxe

>>357 ( つづき )                        ■「私はアメリカ合衆国が人権を強く
尊重することを改めて誓約する。北朝鮮の国民が子供たちを自由で希望のある世界で育てるこ
とができるよう、そして母親たちが拉致された娘のことを思い悩むことが決してないよう、アメリカ
は自由の実現のために努力していく」■こうした公式の発言、とくに最後の「アメリカの努力」の
部分を読むと、ブッシュ政権がいよいよ北朝鮮の自由弾圧の体制そのもの、つまり金正日政権
自体を倒すことを誓っているようにも受け取れる。独裁政権を結果として倒す。つまりレジーム・
チェンジ(政権変更)である。■ブッシュ政権はこれまで北朝鮮に対し人権弾圧や核兵器開発で
非難を強めながらも、「レジーム・チェンジは求めない」という立場を公式には表明してきた。今
回もブッシュ大統領は金正日政権の転覆を目指すなどということは一言も述べていない。だが
その一連の言明を積み重ねると、明らかに金正日政権の本質が悪だという見解を打ち出し、そ
の政権がなくなることが山のようなトラブルの最善の解決策だと示唆していることがわかる。
■ブッシュ大統領のこの姿勢は北朝鮮の核兵器開発を防ぐために日本や韓国、ロシア、中国を
含めた六カ国協議で北朝鮮政府をほぼ対等な交渉相手と扱い、慎重に外交的手段を尽くしてき
たこれまでの態度とは明らかに異質な要素を感じさせる。どう控えめにみても、北朝鮮に対する
姿勢の大幅な硬化だといえる。この硬化は6カ国協議が現在、まったくの行き詰まりの状態にあ
ることと無縁ではないだろう。

★中国や韓国など北朝鮮シンパの国々に警告

■さらに興味深いのはブッシュ大統領の早紀江さんらとの面談と、その後の大統領の声明は中
国や韓国への警告のメッセージとも受け取れることである。■同大統領は早紀江さんらとの会
合には他の4人をも同時に招いていた。そのうちの3人は瀋陽の日本総領事館に保護を求めて
駆け込んだ北朝鮮の家族、金グアンチョル氏と妻の李ソンヒさん、長女の金ハンミちゃんだった。
■2002年5月、一家が日本総領事館に走りこんだところ、中国の武装警察官たちが日本の外
交公館の不可侵権を無視して構内になだれこみ、一家を力づくで連れ去った光景はビデオに撮
られ、全世界に流された。そのとき武装警察官に母親が抑えつけられるのを泣きながらみつめ
る当時2歳の金ハンミちゃんの姿は日本の各新聞にも何度も載った。その一家がいまや韓国に
定住しているのをブッシュ大統領がホワイトハウスに招いたのだ。■同大統領は早紀江さんらと
会ったあとの声明で金一家について次のように述べていた。■「この家族は自由に生きるため
に北朝鮮の圧制から逃れ、川を渡って、中国へ避難した。しかし中国でも自由で正しい生活を
送るためには転々とさまよいつづけねばならなかった。そしてやっと人間の最低条件を尊重する
社会を(韓国に)見出すにいたった」■この言明は明らかに中国への批判をにじませていた。
■ブッシュ大統領がこの面談にもう一人、招いたのは北朝鮮の元軍人で、圧制に耐えられず、
亡命をして、近年は韓国で活動する金ハンミ氏だった。同大統領は金氏がいまも北朝鮮の残酷
な人権弾圧の実態について韓国で語りつづけていることへの賛辞を述べていた。■こうしたブッ
シュ大統領の面談の目的についてアメリカ政府の国務省や国防総省に長年、朝鮮半島問題を
担当した北朝鮮研究の専門家チャック・ダウンズ氏は「北朝鮮と同時に中国に対する警告や抗
議が主眼だといえる」という見解を語った。■「人権や民主主義の弾圧に抗議すれば、その対
象には自然と一党独裁の中国が入ってくることに加えて、ブッシュ政権は最近とくに中国が金
正日政権の弾圧に協力する形で中国領へ逃れてきた北朝鮮の難民や亡命者を本国へ強制送
還してしまうことに強く反発しています。この3月には金チュンヒという北朝鮮の女性が中国領で
捕まり、本国へ強制送還されたことに対し、ブッシュ大統領は中国を非難する声明を出し、4月
20日の胡錦涛国家主席との首脳会談でも再度、この件で抗議をしたほどです。しかし中国側は
無反応とあって、ブッシュ大統領は中国当局にひどい目にあった金グアンチョル氏一家をあえて
ホワイトハウスで優遇して、中国への改めての批判のメッセージを発したのです」■そもそも一
般的な人権弾圧への非難自体が中国の独裁への批判としてひびく。そのうえで中国官憲が一
度は乱暴に身柄を拘束した北朝鮮脱出の一家をプレーアップすれば、まちがいなく中国への警
告になるということだろう。■( つづく )
359(´・ω【日経BP社】ω・`)さん:2006/05/13(土) 06:46:09 ID:SlwQXlxe

>>356-358 ( つづき )■しかし、ホワイトハウスでのこの面談にはいま韓国に在住する北朝
鮮出身の四人の男女が参加しながら、アメリカ駐在の韓国大使は姿をみせなかった。日本の
加藤良三大使が横田母子にぴたりと付き添っていたのとは対照的だった。このことはいまの韓
国の盧武鉉政権が北朝鮮の人権弾圧への非難を極端に抑えている事実と無縁ではない。いや
逆に盧政権はアメリカや日本による北朝鮮の独裁非難を嫌がるのである。■この点、アメリカ議
会調査局の朝鮮半島専門官ラリー・ニクシュ氏は今回のブッシュ大統領による横田早紀江さん
ら拉致被害者家族への熱い歓迎が韓国政府への警告でもあると解説した。■「北朝鮮当局の
外国人拉致など人権弾圧の非道な実態をワシントンで明示し、その被害者たちを公開の場でな
ぐさめることで韓国内の世論を喚起し、国民一般の感情に訴えるというのがアメリカ政府の目的
の重要な一部です。外国人の子供を平然と拉致する北朝鮮政権に対して韓国側の批判や非
難を抑えようとする盧武鉉政権にそれではだめだと警告を送っているということでもあります」
■横田さんら「家族会」のワシントン訪問とブッシュ政権の歓迎の姿勢の陰には、これほど重要
な要因も含まれていた、ということである。

【北朝鮮問題】北朝鮮への対決姿勢強める米ブッシュ政権〜拉致被害者家族への歓待が示すもの〜古森義久氏ワシントンからの報告[05/12]
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1147436377/l50

参考 :★横田早紀江さん陳述書全文 〔04/28 11:00〕 >>263-264
    ★≪横田早紀江さんの手紙全文≫ >>237