>>1 ハイニックス製品の輸入・販売差し止めと780万円だけではありません。
日経の本日朝刊3面に、さらに影響が出ると書いてあります。
こっちの方がハイニックスにとっては深刻だと思うw
フラッシュメモリー、東芝勝訴――成長市場争奪、訴訟も駆使、需要拡大、囲い込み。
2006/03/25, 日本経済新聞 朝刊, 3ページ, 有, 1089文字
東芝が韓国のハイニックス半導体側に勝訴した今回の特許訴訟は世界のデジタル
分野の有望市場の争奪を懸けた内外のメーカーの攻防を浮き彫りにする。争いとなった
フラッシュメモリーは携帯音楽端末の記憶媒体などに使われ、市場は今後数年で倍増が
見込まれ、東芝は巨額投資を決めたばかり。知的財産を武器に優位に立ち、勝ち残りを
目指す日本と追撃するアジア企業のせめぎ合いは激しくなりそうだ。(1面参照)
東芝は「特許が正当に評価された順当な判決」と評価する。ただ、今回の裁判とは別に
米国でもフラッシュメモリー特許を巡り、韓国のハイニックス半導体を提訴中。さらに今年
一月には別の特許でもハイニックスを東京地裁で訴えており、今回の勝訴は日米で展開する
「特許包囲作戦」の第一弾にすぎない。
「国内の判決だから法的効力は日本にしか及ばないが、ビジネス面の影響は世界に及ぶ」。
東芝関係者はこう読む。米国の訴訟で争っている特許の中にも今回、東京地裁が特許侵害を
認めた技術が含まれるという。
米での訴訟の行方は未知数だが、今回の判決を受け、世界のハイニックスの取引先が購入を
ためらう可能性は高い。ハイニックス製品を避ける動きが広がれば、訴訟した価値が十分にある。
東芝がハイニックスを抑え込もうと躍起になるのは、急成長するフラッシュメモリー市場で、
ハイニックスから安値攻勢を受けているためだ。
世界の半導体市場は年率一〇%以下の成長にとどまるが、デジタルカメラなどに使うメモリー
カードや携帯音楽プレーヤー内蔵の大容量のフラッシュメモリー市場は急拡大。米調査会社に
よると世界市場は今後三年で約二倍の二兆七千億円程度に膨らむという。
東芝は市場のライバルのうち韓国サムスン電子や米マイクロン・テクノロジーなどとはクロス
ライセンス契約を結び、特許利用料など対価を受けているが、ハイニックスとは契約を結べて
いない。その状況でハイニックスは二〇〇四年から生産を本格化。米国を中心に低価格攻勢を
掛けたようで、世界シェアは同年の三%が一年後の〇五年には一三%に急伸。東芝は二八%
から二二%へとシェアを食われた。
アップルコンピュータの音楽携帯端末iPodもハードディスク内蔵型に代わり、フラッシュを使う
iPodナノが人気。記憶媒体の中軸として成長する可能性も高い。東芝は二千百億円の連結営業利益
(二〇〇六年三月期見通し)の約半分をNAND型フラッシュ事業で獲得。製造拠点である三重県の
四日市工場の能力増強のため半導体設備投資は今期、過去最高の二千八百九十億円に
膨らんでいる。今回の訴訟は生命線の事業を守るうえでも不可欠だった。