日本語話せない生徒どうする? 言葉の壁 悩む学校 福岡市
日本語を話せない子どもが転校してきたらー。在日韓国・朝鮮人や移住外国人
らの教育をテーマにした「多文化共生教育研究集会」が十八日、福岡市博多区
の堅粕小学校であり、日系ペルー人の生徒を迎えた飯塚市の中学校の取り組
みが報告された。
報告したのは飯塚第二中学校の清水国弘教諭。昨年八月、ペルーから両親と
ともに移り住んだ中学二年の女子生徒が転入手続きに同校を訪れた。女子生
徒と小学校四年の弟はスペイン語しか話せない。弟が入学した小学校には言葉
が理解できる教諭がいたが、飯塚第二中では手の空いた教諭が辞書を片手に
別室で個別授業をした。
「言葉が出ず、気付くと沈黙が続いている。話かけても今度は返事が分からな
い」と清水教諭。九州工業大のメキシコ人留学生が来校した際、涙ぐんでスペ
イン語を話す女子生徒を見て、言葉の壁を痛感したという。
その後、パソコンの翻訳ソフトを通じて文字で意思疎通ができるようになった。
バレー部の練習を通じてコミュニケーションに努めた。「身ぶり手ぶりで話しか
け、常に表情に注意を払った」という。
学校内に緊張が走ったのは昨年十一月。広島県の女児殺害事件でペルー人
男性が逮捕された。いじめや嫌がらせはなかったが、その後、別の中学に転校
した。「進路など本当の思いは聞いてやれなかったのかも」と清水教諭は振り
返った。
このほか、福岡市の市民団体「移住労働者と共に生きるネットワーク九州」の
岩本光弘氏が「自動車産業の進出で県内の外国人労働者が急激に増える可
能性がある」と指摘。会場から、幼稚園児二人が別の園児の母親に刺殺され
た滋賀県の事件に触れ「親とのコミュニケーションも欠かせない」との意見が
出た。
ソース:西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/media/news/news-today/fukuoka.html#003 ※このURLは2月19日しか見られません