>>36 《国外元ハンセン患者への補償再考を》
1月20日付の産経新聞記事によると、韓国、台湾など国外のハンセン病療養所の元入所
者に対し、国内の入所者並みの一人あたり800万円の補償金を支給する改正案を、通常国
会に提出することになったと報じている。
すでに国内では、「元ハンセン病患者の隔離政策は憲法違反」とする判決に基づいて施
行された「ハンセン病補償法」によって補償が行われているが、台湾人、韓国人について
はそれぞれの提訴によって、一審は台湾が勝訴、韓国が敗訴となっている。
そもそも隔離政策を不当とするこの法案そのものに、私は違和感を覚えるのだが、それ
はさておき、韓国が台湾と同等の権利を有すると考えるのは間違っている。
なぜなら日韓の間では1965年の日韓基本条約によって、すべての補償は清算ずみだから
である。ところが、この条約はまず「サハリン」で破られ、以後「被爆者」「慰安婦」な
どの補償実現に続いて、いままたこの補償法案が成立しようとしていて、いまや反故同然
となっている。
そして、この後に待ち受けているのは、朝鮮半島統一後に必ず起きるであろう"一千万人
強制連行"の補償要求である。
ところで、ハンセン病患者の救済には歴代の皇后さまが格別の配慮を示され、内帑金(な
いどきん)の御下賜、親しく入所者を見舞われるなど、今でも財団(ハンセン病について正し
い啓蒙活動を行うという趣旨で設立)初代総裁の故高松宮さまおよび妃殿下の故喜久子さま
を神様のように思っている入所者がたくさんいる。このような「隔離」とは、こういう高貴
な方々の啓蒙活動によって、世間の人々が偏見を持たなくなるまでの保護対策であったとい
える。当然、併合時代の朝鮮においても日本の皇族から嫁がれた李方子妃の庇護の下で過酷
な差別の目から逃れて暮らすことができたと考えられよう。
ところで解放後はどうなっただろうか。「解放後から1957年まで、ハンセン病患者集団虐
殺事件が10件発生した」と、最近韓国の人権委員会が報告している。
元サハリン再会支援会 新井佐和子76(茨城県つくば市) 産経新聞投稿欄2月1日