■驚異の成長秘密に迫る
変化と挑戦を恐れない特異な組織文化−−このほど発行された『韓国の銀行を変えた新韓銀行方式』
(丁東日著、キンヨン社)は、新韓銀行が驚異的な発展を続けてきた秘密に迫っている。
新韓銀行が伝統ある朝興銀行と統合し、21世紀の金融モデル「ニューバンク」をめざす中で、
本書は在日同胞が興した創業精神の重要性を強調している。
■朝興銀行との統合を控え
著者の丁東日博士は米サンディエゴ大の経営学教授。2年前に訪韓して新韓銀行の関係者と出会う中で、
変化と挑戦を恐れない特異な組織文化に驚かされる。創立された1982年を除き22年間、
毎年黒字を達成してきた成長の秘密に興味をそそられ、ついには本を発行するまでに魅了された。
2部構成の本書は、1部で、韓国金融市場に新風を巻き起こし、
この23年間で神話化されたさまざまなサクセスストーリーを紹介、2部で7つの成功秘密について触れている。
韓国の経済復興に寄与しようとした在日商工人の前に立ちはだかったのが祖国の差別だった。
問題打開のため、在日韓国人本国投資協会などを設立した。80年代に入り、
金融自立化や国際化の影響で宿願である銀行設立が可能になった。
そこで82年7月7日、ソウルの繁華街・明洞に初の純然たる民間資本銀行としてスタートした。出資者は、
現在新韓銀行名誉会長の李熙健氏をはじめ在日商工人。
当時の韓国の銀行は一部の富裕層の占有物と思われ、敷居が高かった。
新規参入の新韓銀行が顧客を獲得するにはサービス以外になかった。
顧客との接点を増やすため新韓銀行の社員は奇抜なアイデアを考えた。
ギャル・ホースを主軸にした親切サービス、小銭両替のためのリテール・カート(三輪電動車)、
街頭キャンペーン−−これらの成功が、「座して待つだけでは顧客は来ない」という真理を確信し、
「足で稼ぐ営業」こそ最高の戦略であることを認識させた。
「新しい金融文化の創造」なるビジョンを打ち立て、ATMの無人店舗設置など新しい試みを相次ぎ行った。
97年のIMF通貨危機を逆にチャンスととらえ、根本的な構造改革を進めた。
各事業本部別に独立採算性を導入、責任経営体制へ構造を転換し、国際競争力を強化した。
99年に最先端の電算センターを完成させると同時に、
災害が発生しても素早く復旧できる国内初のバックアップセンターを構築した。
透明経営のため常任理事を減らして社外理事の人数と権限を大幅に増やし、初の先進型経営を導入した。
01年に新韓金融持株会社を設立し、シナジー効果を通じて戦略的なパートナーシップを結ぶことが
可能になった。済州銀行や朝興銀行とも持株編入で対等な関係を維持している。
規模の面では譲っても、収益性、生産性、顧客満足度など質的な面で常に業界1位の座を守ってきた。
専門家による「最も預金したい銀行」に選ばれたのをはじめ、韓国すばらしい職場賞(04年)、
第3回韓国倫理経営大賞(05年)などを受賞した。
丁博士は新韓銀行の成功した秘密について、@顧客満足A強い企業文化B公正な人事
C変容のリーダーシップD一足早い革新E倫理経営と透明経営F社会的責任経営−の7つをあげながら、
「20世紀は強い企業が成功する時代、21世紀は良い企業がグローバル企業として跳躍する時代」と指摘し、
新韓金融グループの将来性を高く評価している。
ソース:(2005.11.16 民団新聞)
http://mindan.org/shinbun/news_t_view.php?category=13&page=32 画像:新韓銀行と朝興銀行の行員らは一体感形成のため白頭山登山を行った
http://www.mindan.org/upload/437ab9f9a1a8a.jpg